ハルキ小説の「英語版」はこうやって生まれた 「1Q84」「ねじまき鳥クロニクル」訳者が語る
ボブ・ディランは現代の吟遊詩人
――ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞しました。村上春樹翻訳者としてどうお感じになりますか。
ボブ・ディランがノーベル文学賞に値するのかどうか、少し不思議に思いました。彼の歌は嫌いではありません。とくにDon’t think twice, it’s all right(邦題「くよくよするなよ」)という曲は、自分でギターを弾いて歌うくらい好きですね。詩としての力は確かにあるでしょう。そうでなければ、これほど世界中の人に愛されるはずがないですから。ボブ・ディランが「現代の吟遊詩人」と言われるのもわかる気がします。
――村上春樹さんとの出会いは?
私が村上さん宛てに手紙を送ったのが最初です。自分がこれまで夏目漱石の『三四郎』などを翻訳してきたこと、村上さんの短編小説が大好きであり、作品の翻訳をさせてほしいというお願いの手紙でした。



















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