日本株は「イタリアリスク」を無視している 「トランプ相場」は転換点に差し掛かっている
10月は外国人投資家が、日本株を1兆6481億円買い越したが、先物7割、現物3割といったバランスで、短期的な売買が多い225先物がメインだった。一方、11月第3週までの売買動向を確認すると、合計1兆3494億円買い越しており、先物4割、現物6割である。しかも、先物では中長期的な投資資金が向かいやすいTOPIX先物の売買が半分を占めている。
ちなみに、11月21日から25日までの週間ベースでは、米系のゴールドマン・サックスが225先物を3949枚、TOPIX先物を6924枚それぞれ買い越している(日中、夜間、立会い外を合計)。
OPECの減産合意がなくても株価にはあまり影響せず?
こうした需給動向を見る限り、外国人投資家は日本市場に戻りつつあるが、なんとなくだが外国人買いは一服したようにも見える。トランプラリーがスタート時点では、日経平均の終値よりも、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)で売買されている円建て225先物や、大阪取引所で売買されているナイト・セッションの225先物が上回る展開が目立った。
つまりマド(ギャップ・アップ)が至る所で発生したわけだが、先週末の25日はマドがなく、チャート上では「気迷い」を示す十字線が示現している。もし、28日の週明けの東京市場で一日の売買代金が「2兆円そこそこ」と目に見えて減少するようであれば、外国人買いの継続を疑ったほうが良さそうだ。
今週は重要な米国経済指標が相次ぐほか、11月30日には石油輸出国機構(OPEC)による総会で減産合意の具体的な話が行われる。原油価格は9月のサプライズ減産合意前の水準まで戻すなど、市場は減産合意破談をある程度織り込んでいる。
逆に言えば、楽観視はしていないことから、破談に終わっても下落は限定的と考える。もっとも、減産合意の具体案が決定となれば、再び9月末のサプライズ減産合意のような上昇が見られるだろう。一方、米国では、ISM製造業景況感指数や、ADP雇用報告、週末の雇用統計など様々な経済指標が発表される。市場ではいずれも前月を上回る強気な予想がされており、こちらはドル買いの原動力と見られている。
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