長時間労働にパワハラ、具体的な対抗策とは 退職せずに是正を求めるための方法論
大手広告代理店「電通」の新入社員だった女性が昨年12月、過労自殺したことがわかって以降、長時間労働の是正や、パワハラ・セクハラ防止策への関心が高まっている。女性のツイッターアカウントには、月間105時間の時間外労働や、上司などから受けたパワハラやセクハラを示唆する投稿もあった。
ネット上では、同じような境遇にある人たちからの苦しみを吐露する声もあふれている。
あまりに理不尽な職場であれば、命をなくす前に退職することが先決だ。ただし、辞めずに解決する方法はないのだろうか。このような長時間労働やパワハラなどに悩む労働者は、どのように会社に是正を求めることができるのだろうか。竹花元弁護士に話を聞いた。
「状況の改善」と「心身の健康の保持」
長時間労働やパワハラに悩む労働者は会社に対して、在籍したまま、どのように是正を求めることができるのか考えてみます。
このとき、労働者にとってもの獲得目標の1つ目は、「状況の改善」です。具体的には、長時間労働の是正、残業代の支払い、コンプライアンス体制の構築、パワハラ加害者に対する処分や異動などが考えられます。
2つ目に、「心身の健康の保持」があげられるでしょう。具体的には、産業医の受診やストレスチェック制度の活用などが手段としてあります。