長時間労働にパワハラ、具体的な対抗策とは 退職せずに是正を求めるための方法論

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この2つの目標を達成し、状況を改善するためには、直属の上司に相談することが、手段の1つとなるでしょう。しかし、それでは改善しない場合や、直属の上司がパワハラ等の行為者(加害者)である場合もあります。

その場合、具体的な手段としては、労働組合に相談することが考えられます。最近は社内に労働組合がない企業や、労働組合があっても会社とことを構えないスタンスをとっている場合も、しばしばあります。そのようなときは「合同労組」という会社単位ではない労働組合に加入して、労働条件について団体交渉を申し入れることができます。

合同労組は、地域別や業種別に様々なものがあります。個人単位で加入できますし、正社員だけでなく、契約社員、パートタイマー、管理職まで幅広い労働者が対象となるものが存在します。

労働基準監督署に何を伝えるか

また、長時間労働のために必要な手続き(労働基準法36条の労使協定等)がとられていない場合や、労働時間に見合った賃金が支払われていない場合は、その旨を労働基準監督署に申告することも考えられます。この結果、監督官が会社に対して調査を行い、労基法違反などに違反する事実が判明すれば、是正勧告等の措置がなされます。

労働基準法に違反する状況が放置されている場合、公益通報窓口(事業所内、厚生労働省、メディアなど)に情報提供して、改善を求めることも考えられます。

ただし、情報提供をする窓口により、通報者が保護される要件が異なるので注意してください。この点、事業所内での内部通報の保護要件が一番緩やかであるのですが、現実的には、社内ルールを信用して内部通報したが、閑職に追いやられた、退職を迫られたといった事案が現れており、通報者を保護しつつ初期段階で企業自らが芽を摘んで健全化を図ろうという趣旨が十分に生かされていないケースも見受けられます。

その他にも、実際に行うことがある方法として、企業に所属しつつ弁護士に依頼をし、弁護士を代理人として登場させたうえで、違法状態の改善や不利益取扱いの抑止の点で会社を牽制しつつ、状況の改善を図ることもあります。

一般的に、企業に在籍をしながら勤務先との間で労働紛争を起こすことには現実的な困難が伴います。

退職後に残業代請求を行ったり、不当な解雇に対して労働者の地位の確認を求めることはしばしばあります。しかし、在職中に残業代請求を行うようなケースはあまりありません。一見平穏に見えている労使関係において、積極的に紛争を顕在化させることには、職場に居づらくなるというデメリットがあるからです。また、内部通報についても、先ほど述べたような問題が生じうる現実があり、法改正が議論されています。

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