あくまで会社の社員から見た「管理職が多いか」という評価であり、女性管理職の人数が単純に多い少ない、あるいは管理職に占める女性の割合といった指標によるものだけではない。逆にいえば、女性管理職の比率が少なくても、「職場の指導的立場として多くの女性が活躍している」「優秀な女性管理職が多い」といった印象があるだけでも、高い結果を得る可能性がある。
なおランキングは、カイシャの評判の掲載企業のうち、口コミ件数が累積300件以上で、アンケートへの回答者が30人以上の企業が対象だ。対象社数は325社。平均ポイントは30.1ポイントとなっている。今回はそのうち、ランキング上位100社を紹介したい。
1位はキャメル珈琲。コーヒーと輸入食品を販売する「カルディコーヒーファーム」の運営会社だ。従業員数はパートタイマースタッフも含めて7300名、およそ30年前に東京・下高井戸でカルディコーヒーファームを出店し、今では大型ショッピングセンターをはじめ全国規模で店舗展開をしている。出店数は約370で、カフェは日本だけでなく、海外でも出店している。
女性スタッフが大半占めるカルディ
ポイントは95ポイントと高く、その大きな理由として、社内のほとんどが女性スタッフで構成されている点が挙げられる。会社も多くの女性管理職が活躍している職場と謳う。育休や時短勤務にも力を入れており、「会社から定年まで働きやすい環境を目指しているとアナウンスがあり、たびたび上司から面談があるなど、相談しやすい環境。小さな子供がいる場合は早番だけにしてもらえるなど、融通をきかせてもらえるのが本当にありがたい」(30代女性/現・非正社員/販売・サービス系)といったコメントが寄せられた。
2位は85ポイントでイケア・ジャパン。スウェーデン生まれの世界的な家具量販店だ。国内に9店舗展開しているが、職場環境は北欧スタイルが踏襲されている。「短時間正社員」という制度を設け、パートタイマースタッフも含めて、全員を正社員にしているのが特徴だ。福利厚生も平等に取得する権利が得られ、女性が活躍できる環境が整っている。
同じく2位はジンコーポレーション。美容脱毛専門店「ミュゼプラチナム」をかつて経営していた会社だ。同社は経営再建の一環として「ミュゼプラチナム」事業を2015年に事業譲渡している。しかし、このランキングは2012年からの口コミ評価がポイント化されており、譲渡前の評価も加味されている。同社は「女性から真に必要とされる会社」を目指し、女性管理職を増やす方針を示すなど積極的な女性活用を標榜している。
以下、上位に顔を出すのは、飲食店や量販店、サービス業などといった接客を必要とする企業が多い。やはり女性ならでは気遣いやサービス、アイデアが求められている職場で、そうしたノウハウを経営に生かすためにも、管理職やリーダーとして女性により活躍してもらう必要があるのかもしれない。
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