民主党は、消滅への道をたどるのか? 前哨戦・都議選で大きく後退、参院選も惨敗か

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すると、必ず労働者・庶民・リベラルの方々に支持される政党が必要となるのであり、その立ち位置を占めることができるのは、現時点では民主党だけであると考えます。労働者の数は雇用者の数よりも圧倒的に多いのであり、労働組合の全国組織である連合が、政治の世界において大きな影響力を有することは、いつの時代も変わることはありません。

そう考えると、保守二大政党制の実現を目指すことは容易なことではありません。保守色の強い維新の会のみならず、公務員改革に執念を燃やすみんなの党も、連合が支持する政党には、なりえません。連合の中には、公務員の労働組合である官公労等が存在するためです。

また、生活の党やみどりの風などは、その立ち位置を占めることを目指しているものと判断できますが、それらの政党支持率を見ると、残念ながら現時点では民主党に代わりうる存在にはなれていません。実際、諸外国ではおおまかにいって、それぞれ雇用者側、労働者側に支持される党からなる、二大政党制が定着しています。

空中分解もありうる、維新の会

次に、日本維新の会は参院選後に分裂するのか?

維新の会は橋下徹氏の絶大な人気を頼りに急成長してきた政党です。しかし、以前のコラムでご説明したとおり、政治家とメディアとの付き合いは非常に難しく、橋下徹氏はメディアで得た国民からの高い人気を、そのメディアによって失おうとしています。仮に維新の会が参院選で5議席程度、つまり飛ぶ鳥を落とす勢いであった当時に予想されていた議席の3分の1程度しか獲得できなかった場合、橋下徹氏の責任論が一気に噴出し、同氏は共同代表を辞任、維新の会は空中分解するという展開が予想されます。起死回生の策はあるのか、維新の会の今後が注目されます。

そして、自公は参院選でも大勝するのか?

安倍政権は悲願である憲法改正に関する訴えをあえてトーンダウンさせてまで、国民の最大の関心事である日本経済の復活に焦点を絞っています。アベノミクスが今のところ奏功しており、国民の高い支持を得ているため、この状態が参院選まで継続すれば、自公による圧勝は現実のものになると思われます。しかし、株価や円相場に不安定な動きが見られるため、このまま参院選まで安倍政権の高い支持率が維持されるか否かは、予断を許さない状況です。

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