民主党は、消滅への道をたどるのか? 前哨戦・都議選で大きく後退、参院選も惨敗か
では、そもそも「政党」とは何でしょうか?
政党とは、「共通の政治的主義・主張を持つ者によって組織され、一定の政治的利益や政策の実現のために活動し、政権獲得をめざす集団」であると辞書(大辞泉)で定義されています。この定義によれば、政党のメンバーは「共通の」政治的主義・主張(=政策)を持っている必要がありますが、消費税増税に関して分裂した民主党や、TPPなどに関して一枚岩ではない自民党などを見ると、政策の共通性という要件には疑問符がついてしまいます。
実際、政党のメンバー間で政策を完全に一致させることには無理があります。
何故なら、TPP・原発・消費税増税という3つの政策だけに絞っても、賛成か反対かで分けると、2×2×2の8通りあり、それだけでも8つの政党が必要になってしまうのです。
そこに他の政策も加われば、16通りにも32通りにもなってしまい、その受け皿としての政党を全部設立することは現実的ではありません。そうすると、政党なのだから政策が一致していなければならないという建前と、政党のメンバー全員の政策が一致しているはずがないという現実との間で矛盾が起こり、信念を曲げて政党のイエスマンに成り下がる政治家や、醜い分裂劇を繰り広げる政党の姿に、国民は失望することになってしまうのです。
民主党は、消滅するのか?
今こそ政党政治から脱却し、政治家一人ひとりが自らの信念に基づいて行動すべきであると、私個人としては強く思っています。しかし、現実としては政党政治というものが連綿と続いていますので、以下では読者の皆さんが気になっていらっしゃるであろう点に触れながら、政党について見ていくことにします。
まず、民主党は参院選で大敗した後、消滅への道をたどるのか?
政権交代による抜本的な政治改革に対する期待を裏切られたという思いから、民主党は消滅するだろう、または、民主党は消滅してほしいという声を聞くことがあります。しかし、民主党が参院選で消滅するかと言うと、私の考えはNOです。今回の参院選では、都議選同様に民主党の大敗が予想されるところではありますが、国民にはバランス感覚があり、勝たせすぎた政党に対しては次回は厳しく判断し、そして逆に負かせすぎた政党に対しては次回は温情を施すことが多いからです。いわゆる「振り子現象」というものです。
そう考えると、たとえ民主党が今回の参院選で惨敗したとしても、将来的にはまた党勢が回復することが予想されます。また、政党間の構図的にも、民主党が占める立ち位置というものがあります。もちろん単純に割り切れるものではありませんが、自民党は雇用者・お金持ち・保守の方々に支持される政党であると言うことができます。
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