選挙直前!自民党はどう変わったのですか? 林芳正農林水産大臣vs.春香クリスティーン(下)
今までの派閥政治は、年配のご経験のある方が若い人に教え込むというイメージでした。それがなくなって大丈夫なのかなと思うところも……。
林:それはいいポイントです。僕は派閥の機能は、教育機能だと言ったことがあるんですね。昔の中選挙区時代は、候補者を発掘して、選挙で立候補させてという育成やポスト分配の機能があって、その中で教育機能というのもあったんですね。
小選挙区時代になって、党で支援的に候補者の選定もやるようになったので、結局、残っているのは教育機能だけ。たとえば1学年に300人いるとすると、先生が全員教えるのは無理なので、クラスに分けますよね。クラスに分けて、もう少し親身に指導ができるようにするというのに、ちょっと似ている。与党になって、多いときは300人近くの人数が衆議院だけでいますからね。だから、少人数でマンツーマン的に教えるというのは、非常に大事だと思います。
春香:若手の1回生の議員さんに対して、どういう風に接しておられるんですか?
林:宏池会(こうちかい ※1)というグループで私は座長やっていますので、新人とは本当に頻繁に会っています。それともうひとつは、水正会(すいせいかい ※2)という若手議員の有志による勉強会があります。
今は大臣なので以前ほどできないのですが、月1回ぐらい講師を連れてきて一緒に勉強会をしています。そうすると、人脈を引き継いでいくことができるし、2回生、3回生の言うことや、その人たちと講師のやり取りから学んでいくという機能もあります。
春香:先輩方の背中を見てというか、質問する姿を見て学ぶというのがあるんですね。
林:そうですね。学校と違って、いろいろなバックグラウンドがあって、年齢層もさまざまですから。議員1年生ということなんで、先輩方を見ながら仕事を学ぶという意味でのOn the Job Trainingですよね。これは非常に大事で。
そういう派閥やグループに加えて、党の正式機関の部会がある。ここは真剣勝負で法律や予算を決めていく場ですので、私も最初の頃はそこにずっと出て、先輩の議論を聞いて。まあ最初は、金融のなんだか難しい議論を聞いていてもわかんない。そんなことはいっぱいありましたから、これじゃいけないなって勉強する。やっぱりそういうところがありましたよね。
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