質問者の方もご存じのように、企業側は当然のように学校名でフィルタリングをかけています。就活サイトによっては学生が入力した学校名によって、システム上で見ることのできる画面さえ違うことが普通です。学生の方はビジネスでのトラックレコード(成功した事業等)がないために、可視化されている学校名くらいしか見るものがないのです。そのため、たくさんの学生から応募がある人気企業では、初期的な採用候補の振り分けを学校名に依拠します。
ちなみに筆者があえて「学校名」と記載しているのは、そもそも学部レベルで「学歴」というのがおかしいと考えているからです。筆者はアカデミアに興味も関係もない商売の人間なのでいいのですが、博士号を持っていなくても中央銀行総裁になれたり、経済学修士号さえ持たず、学術論文も書いたことのない人間が「エコノミスト」を名乗ってテレビに出演できる日本は、学歴の関係ないすばらしいところだと思います。海外の大学院でストイックに論文を書いて博士を目指している学生たちのことを思い出すと、ちょっと悪い気がします。
なぜ私大文系は不利なのか?
ご質問者の方は外資系コンサルから学歴で落とされてしまうと不安に思っているそうですが、事実としてトップレベルのグローバルファームには、筆者のような日本の私大文系がそもそもいません。トップレベルというのは、たとえば、就活サイトVault.comのVault Consulting 50の上位にあるファームのことです。東京オフィスでは日本の大学であれば東大、そして理系修士以上がマジョリティなのが普通です。そういう意味では不安になるのは間違っていないと思います。
国立トップの東大や理系がマジョリティなのには、理由があります。新卒でコンサルは「算数」ができて数字の勘があることが極めて重要です。論理的思考は、突き詰めて単純化していくと数式に近づくので、そうした思考プロセスに慣れていることも有利なのです。一方で筆者のように算数が苦手だったり、そもそも数学をちゃんとやっていなかったりする私大文系は不利なのです。
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