シェール革命に翻弄される国々 いよいよエネルギー価格の長期下落トレンドが始まった

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日本のLNGの輸入価格もいまの半分以下に

アメリカの天然ガス価格がこのまま低位で安定を続けるうえに、輸出規制が撤廃され、実際に海外への輸出が拡大されるようになると、世界的に天然ガスの価格は大きな下降トレンドに入っていくことになるでしょう。

いまのところ、アメリカ国内の天然ガス供給の急拡大を背景に、アメリカの天然ガス指標価格であるヘンリーハブの低価格が際立っていますが、3~5年のスパンで考えれば、ヘンリーハブの価格に引っ張られるように、欧州(イギリス)の指標価格であるNBP価格や、日本のLNG(液化天然ガス)の輸入価格も確実に大きく下落していくでしょう。

アメリカのエネルギー省によると、アメリカは2020年には天然ガスの純輸出国に転じるという見通しになっていますが、私はそれより2~3年前倒しされると見ています。シェール資源の採掘・回収技術が日に日に進歩し続けているからです。もっともアメリカが天然ガスの純輸出国になる前に、日本のLNGの輸入価格もいまの半分以下の8ドルを割り込んでいるのではないでしょうか。
 

中原 圭介 経営コンサルタント、経済アナリスト

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なかはら けいすけ / Keisuke Nakahara

経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。企業・金融機関への助言・提案を行う傍ら、執筆・セミナーなどで経営教育・経済教育の普及に努めている。経済や経営だけでなく、歴史や哲学、自然科学など、幅広い視点から経済や消費の動向を分析しており、その予測の正確さには定評がある。「もっとも予測が当たる経済アナリスト」として評価が高く、ファンも多い。
主な著書に『AI×人口減少』『これから日本で起こること』(ともに東洋経済新報社)、『日本の国難』『お金の神様』(ともに講談社)、『ビジネスで使える経済予測入門』『シェール革命後の世界勢力図』(ともにダイヤモンド社)などがある。東洋経済オンラインで『中原圭介の未来予想図』、マネー現代で『経済ニュースの正しい読み方』、ヤフーで『経済の視点から日本の将来を考える』を好評連載中。公式サイトはこちら

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