三越伊勢丹HDと消費の関係を分析する アベノミクスと「一蓮托生」?の百貨店業界

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百貨店の今後の動向は、結局のところ株価頼み?

今後の百貨店業界の見通しは明るいのでしょうか。景気指標を見ながら、予測してみます。冒頭でも触れたように、3月の「百貨店売上高」は大幅に増加しましたが、「小売業販売額」は前年比マイナスが続いていますね。「現金給与総額」も4月は若干増加しましたが、3月までは前年比マイナスが続いていました。

ここで何が言えるかというと、百貨店の伸びは資産効果によって高級品などが売れているだけであって、一般小売業、つまりコンビニやチェーンストアなどの売り上げは減少しているのではないか、と考えられるのです。事実、コンビニは4月までで、11カ月連続で減少です。

資産効果の源は、株高です。5月上旬までは株価が上昇していましたが、5月下旬から、急速に下落しました。ということは、心理的にも資産額という面でもダメージを受けている人が多くいるということです。6月以降は、その影響が百貨店の売り上げに現れてくる可能性がありますから、注意が必要です。

株価がもう少し緩やかに上昇し、景気の回復と歩調を合わせていれば問題はなかったのですが、結局は、ミニバブルを作ってしまいました。そして、ここで弾けてしまった可能性がありますから、当分、株価は調整が続くと思われます。

ただ、「異次元の金融緩和」は今後2年間、継続されます。毎月約7兆円ずつマネタリーベース(日銀が供給するおカネ)を増やし続けるわけですから、それは景気の下支えになるでしょう。いずれにしても、今のところは、高級品の売り上げは株価と連動している傾向が強いですから、今後の百貨店の業績は、株価の動向とともに注視することが大切です。

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