失敗や挫折を乗り越える人の「具体的な方法」 TEDで人気のセラピストが語る「応急処置」

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この問題に興味を持った心理学者が実施した調査があります。プロの選手ではなく普通の人を対象にして、参加者にアメフトのボールを約9メートル先のゴールに向かってキックしてもらうという実験で、チャレンジの前後に、ゴールの幅とバーの高さを目測で答えてもらいました。

その結果、チャレンジする前の回答では全員の解答に差はなかったのに対し、チャレンジした後の回答では差が表れたのです。失敗した人はゴールの幅を1割ほど狭く見積もり、バーの高さは1割ほど高く見積もりました。一方、成功した人はゴールの幅を1割広く、バーの高さを1割低く見積もりました。

つまり、失敗した人にはゴールが難しく見え、成功した人にはやさしく見えたのです。

プレッシャーがさらなる失敗を呼び寄せる

変化するのはゴールだけではありません。失敗すると自分が小さく見え、自信がなくなります。

大きな失敗をしたあとは、その失敗自体のみならず、「自分は何ひとつまともにできない」「どうせ一生ダメなんだ」と、自分のすべてを否定する考えばかりが浮かんできて、「無力感」や「無気力」にさいなまれます。

もし、あなたの6歳の息子がテストで失敗し、「僕って何もできないバカなんだ」とつぶやいていたら、「そんなことを言うものじゃない」と諭したくなるでしょう。否定的な言葉がその子自身を傷つけ、悪影響をおよぼすことがわかっているからです。しかし、いざ自分が失敗すると、私たちはその子と同じように自分を傷つけてしまいます。

「次に失敗したらどうしよう」という不安は、さらなる失敗をも呼び寄せます。こうした不安やプレッシャーは、適量であれば役に立つのですが、多すぎると悪い結果につながるのです。

大事なテストのときに、緊張でおなかが痛くなったり、頭が真っ白になったことがある人もいるのではないでしょうか。そんな状態を、心理学では「テスト不安」と呼びます。

テスト不安は、私たちの思考力を低下させます。実際、テスト不安を感じているときには、IQテストの点数が15点も下がるといわれています。本来なら優秀レベルの人が、平均レベルに下がるほどの違いです。

大きなプレッシャーがかかったときに凡ミスをしてしまうその心理的メカニズムが、最近になって明らかになってきました。大事な場面で失敗するのは、“考えすぎ”が原因なのです。

それでは、失敗や挫折を味わったときの応急処置をどうしたらいいでしょうか。以下の4つが効果的です。

手当てA 失敗を前向きに受け止める
手当てB 自分の力で改善できることに目を向ける
手当てC 失敗を直視する
手当てD 不安とプレッシャーから注意をそらす

 

このなかから、今回は、手当てBと、それを実現するための2つのエクササイズについて解説します。

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