バツ2シンママの心を破壊した「暴力の連鎖」 父親からの虐待、配偶者からの暴力・・・

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20歳のときに妊娠を機会に最初の結婚、28歳で離婚。32歳で再婚、昨年2度目の離婚をしている。昨年まで婚姻関係があった2人目の夫から、執拗なDVを受けて本格的に精神崩壊した。その夫の話が始まると、目つきに憎悪のような感情がにじむ。

「3年前、もう耐えられなくて家を飛び出し、知り合いに警察署に連れていってもらいました。それまでは軟禁状態もあったし、いわゆるモラハラ的なDVでした。暴力もあったけど、とにかく言葉が厳しく執拗だった。毎日のように“お前はクズだ。死んだほうがましだ”みたいなことを言われ続けて、初めて自殺未遂しちゃたんです。“お前なんか生きている価値がない”って説教が始まって、そういう話を7時間とかぶっ続けでされる。朝4時とか5時まで。2度目の結婚生活は、ずっとそんな感じ。地獄でした」

モラルハラスメントとは言葉や態度による精神的な暴力。周囲も当事者も見えづらいため、なかなか表面化することはない。モラルハラスメントは「精神的な殺人」と言われている。前夫からは子育てや性格などから始まり、特に経済的なことは徹底的に言われた。

「家族の生活費で、家賃や光熱費を除いて8万円ほどを毎月もらっていた。何か無駄遣いをしているのではないかと突然怒りだして、家計簿をつけてすべての消費を報告しろと。朝までしつこく詰問されて、性格とか人格を否定されるみたいな。私は見てわかるとおり、ジーパンにTシャツが多い。ブランド好きじゃないし、金属アレルギーだし、無駄遣いはしていない。最終的にはジュース1本、隣駅への電車賃に至るまでおカネの管理はもう向こうが牛耳ることになって、なんの自由もなかった」

友達とのランチも許されない

前夫による支配は、おカネだけではなく、生活全般の行動にまで及んだ。夫と一緒にいない時間のすべてを報告させられた。行き過ぎた束縛、友達を作ることも許されなかった。

「浮気するかもしれないといって、パートに出ても家を出る時間と帰る時間をLINEで夫に送る。ちょっとでも時間がズレると携帯電話に何度も着信があって、最悪、職場にまで電話。誰にも渡したくないみたいな感じで、今考えると俺のもの、所有物です。最初のうちは気づかなかったけど、だんだんと束縛がひどくなって、友達と10分、20分話すと“誰と話しているんだ、電話するな”とか、ランチ行くって言うと、“俺のカネで”とか怒鳴りだす。だんだんと誰とも会えなくなって、どこにも行けなくなった」

精神的な不安定が始まった。夜、眠れない。不眠から始まって動悸が止まらなくなり、無意識に涙が流れたりする。消えていなくなりたい、という自殺願望のような気分に襲われることも頻繁になり、実際に何度も自殺未遂をしてしまった。前夫に気づかれないように精神科を受診、そこで初めてモラルハラスメントという言葉を知る。

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