――今回は実際に外国人記者が撮影現場に見学に来て、「めしや」はどこにあるのか聞いたと伺っています。
「めしや」というのは幻の店ですが、実在すると思っていたようですね。アジアの人からインタビューを受けた時も、あれを食べてみたい、「めしや」に行ってみたいと、ものすごい熱量を感じました。
――どこかで実際に営業していそうな感じがします。
ああいう細い路地に飲んだり食べたりできる店が固まっていて。しかもそれはセレブな人たちが集まるようなところではない。そこではそれほどお金を持っていなくても食べられると。そういったリアリティーは持たせたいと思っていますね。
「豚汁定食600円」は据え置きです
――豚汁定食も600円くらいで、非常にリーズナブルです。
やはり物価というものがあるので、実はちょっぴり値上げしようかと思ったんです。でも、原作の安倍さんに怒られますよと言われたので据え置いています(笑)。
――アジアでの人気の理由は、料理の魅力もありつつも、人情ドラマという側面もあるのでは?
他人同士がカウンターで肩を寄せ合って食べるのは、アジアでも独特かもしれませんね。あれが親密さを醸し出している。そしてマスターが尋ねたわけでもないのに、客が普段言わないようなことを自ら語り出す。外国の人も、ああいうのがいいなと思っているのかもしれません。弱みを見せられる場所というか、解決してほしいわけではないんだけど、誰かに話を聞いてほしくて。そこに行けば心がホッとできる場所なんでしょうね。
――アジアでの人気の秘密のひとつとして、マスターの存在というのもあるのかもしれません。
そうですね。マスターも幻ですよとは言っているんですけどね(笑)。でもああいう人に会ってみたくなる。アジアの人に人気なのは、店の雰囲気とかマスターの魅力とかそうした理由が重なり合ったものなんでしょうね。
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