脆弱さ露呈、高まる国債の「テールリスク」
市場動向を読む(債券・金利)

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しかし、リスクプレミアムが金利水準にオンされているということと、あるイベントに反応して突然金利が跳ね上がるということとは、市場で生じる現象としては必ずしも同一のものとは言えない。今回、日本国債市場において見られた急激な金利上昇の背景にあるより本質的な点は、どちらかと言えば、日本国債市場の「テールリスク」の増大を示唆していると見るべきではないか。

むしろ「ボラティリティ」は、今後、外部環境が安定化してくるようであれば、徐々に低下してゆく可能性もあるだろう。実際、2010年秋に米国QE2導入に際して米債市場でも「ボラティリティ」が急上昇したが、しばらく高水準で推移した後、最終的には上昇前の水準近くまで低下して安定した。「ボラティリティ」の上昇によって一時的に金利水準にオンされたリスクプレミアムも徐々に剥落していった。日本国債の市場も、最終的には2010年秋以降の米債市場と同様な経緯を辿って安定化してゆく可能性は十分にあるだろう。

高まったテールリスク

しかし、米国のQEと今回の日銀のQQE(量的・質的緩和)を比べると、やはり違いがある。まず、国債発行量の7割を中央銀行が市場から吸収してしまうという「フローベース」の量の大きさの違いがあるが、それ以上に、GDP(国内総生産)比200%の公的債務を抱える国においてそのような政策を採っているという点が根本的な相違である。

米国においても、FRBの市場からの国債吸収が日本と同様に「流動性の低下」を引き起こしている状況はあるものの、市場の背後にある「ストックベース」での公的債務の規模の違いを考えると、その潜在的な意味合いは日本とはやはり異なる。

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