HIS、アンチLCCで「割安航空」に参入

国際チャーター活用、バンコクまで片道1万円

HISが6月7日に発表した2012年11月~13年4月期(第2四半期累計)の業績は、連結売上高が2246億円(前年同期比12%増)、営業利益が60億円(同20%増)と順調だ。買収した九州産業交通のフル寄与による利益のカサ上げ(通期で営業利益9億円程度)もあるが、テーマパークのハウステンボスが絶好調であるほか、クルーズ船が人気で夏秋に増発した効果も出てくる。

収益柱の海外旅行は中国、韓国行きの戻りがなお鈍いものの、欧州や東南アジア方面への渡航増加でカバーして堅調を維持、上半期では過去最高益を達成している。

旅行会社はLCCとは共存できない

足元の業績では順調なHIS。あえて航空事業にのめり込む理由はどこにあるのか。それは多角化戦略の一環であると同時に、対LCC戦略の側面も持っている。

格安料金である反面、欠航リスクの高いLCCは、旅行会社の得意な添乗員付きツアーにはなじまない。かといって、大手航空はピーク時期の運賃が高い。円高修正や燃料高で、日本から海外へ旅行するコストは上昇している。

今はツアーを利用している旅行客も、あまりに移動コストが高くなれば、若者を中心に一気にLCCに流れてしまうかもしれない。それを防止するには、国際チャーター航空を活用するしかない、というのが将来を見越したHISの深謀遠慮のようだ。

「旅行者のために、旅行会社が国際的にアライアンスするような仕組みを作りたい」(AAAのアザドゥル社長)というAAAの構想は、きれい事だけではない。アジア旅行者の急成長市場を取り込むための、陣取り合戦が激化している現実の裏返しでもある。

(撮影:尾形 文繁)

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 岐路に立つ日本の財政
  • 最新の週刊東洋経済
  • 本当は怖い住宅購入
  • 賃金・生涯給料ランキング
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
自前の物流網を一気に拡大<br>アマゾンジャパンの真意

アマゾンジャパンで物流部門を長年統括するジェフ・ハヤシダ氏へのインタビュー。個人事業主に直接配送を委託する「アマゾンフレックス」の構想は4年前からあり、現在は首都圏中心の6地域ですが、今後3年で全国に広げることが明かされました。