HIS、アンチLCCで「割安航空」に参入 国際チャーター活用、バンコクまで片道1万円

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新会社の戦略を説明する、HISの平林社長(右)と、AAAのアザドゥル社長(左)。

5月末現在のAAAの従業員数は105人。ボーイング社のB767―300ERを2機保有している。添乗員は基本的にタイ人で、パイロットも外国人が中心だという。

資本金は5億4000万タイバーツ(約17億3000万円)。出資比率は、HISが49%、HISのタイ現地法人が39%。残りは、バンコクで超高層の「バイヨークスカイホテル」等を経営するパンラート・バイヨーク氏が12%。初フライトに合わせて、HISはバイヨークスカイホテルのスイートに泊まれる4泊プランを、4万9800円で限定販売する。

AAAの本社はバンコクに置く。人件費などコスト面の優位性もさることながら、HISが重きを置くのは周辺のASEAN各国を含めた旅行需要の潜在的な成長性の高さ。海外旅行の国内トップから、国内旅行やテーマパーク運営にも多角化を進めるHISの成長エンジンのひとつが、海外現地での旅行需要への対応だ。アジアから日本、あるいはアジアから日本以外の地域への渡航でも構わない。

HISはタイにもすでに4店舗を展開し、現地の旅行者向けにサービスを行っている。「今夏には10店程度、3年後には70店舗まで拡大したい」とHISの平林社長は意気込む。

ハウステンボスなど好調で、上半期は2割増益

HISは限定パッケージツアー用の座席は独占確保し専売するが、AAAの旅券(片道1万円)は他の旅行会社経由でも販売する。AAAは5年後に20機の運航を目指しており、認知度と路線が増えるにつれ、他の旅行会社が組成するツアーにも積極的に供給していく考え。すでにタイの旅行会社数社と交渉中だ。

路線もバンコク発に限らない。オープンスカイポリシーを利用して、たとえば成田―ハワイ便、関空―グアム便など、柔軟に設定していく見通しだ。

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