高学歴女子にシワ寄せされる社会の過剰期待

「貢献せよ」しかし「みっともないのはNGだ」

化粧したらしたで、厚いの、派手だの。場所をわきまえろだの、どうこう言われ、しなかったらしなかったで「女子力低いよ」「モテないよ」「女の子でしょ?」と皮肉られる。人の仕事を酷評した上司が、その舌の根も乾かぬうちに、「もっと身だしなみに気をつけろよ。女子力低い、仕事だけの女の人になっていいの?」と、仕事もできない(そう言ったのはその上司だ)若手女性に「仕事のできない女」「仕事だけの女」と、2本ともデッドエンドの道を示して意地悪く笑う。

なんだ、どっちに進んだって袋小路ではないか。仕事も私生活も充実したイイ女という”解”以外、存在は許されていないじゃないか。そう言うあなたたちがどれだけのものなのか。若い女を追い詰めて何がしたいんだろう。

それは、世間ぐるみのパワハラではないのだろうか。

現実を無視した負荷は、不妊問題の一因でもある

おおかたの男性なら朝のグルーミングは洗顔と歯磨きと整髪(ここまでは男女共通)にヒゲ剃りで済む。でも、女性はヒゲ剃りの代わりに、”みっともなくないように”、洗顔後の何重ものスキンケアと下地づくりに始まる、ちょっとした建設作業を行わなきゃいけない。

営業の飲み会に付き合い、しこたま飲んだけれどとりあえず1回吐いて持ち直し、上司に突き返されていた企画書を徹夜で全編書き直した翌朝、肌も髪もガサガサ、どうにかシャワーと着替えだけは済ませ這うようにして出社、というわけにはいかない。

男女雇用均等法時代の電通ウーマンに、あまりにも男性と伍しての長時間労働が常態化したために「美容院に行く時間どころか発想さえ失って、ずっと社内で帽子を被り続けて仕事をした」という人がいた。その彼女も生理が止まり、体力の限界を感じて退社した。それは社内ではシンプルに”落伍”や”戦線離脱”と捉えられ、すぐ忘れ去られるようなエピソードの一つに過ぎないのかもしれない。女性には、マッチョな男性社会ですでに出来上がった”そういう働き方”に付き合う体力はない。

そんな風に生理が止まるまで「女性も輝いた」結果、いざ子供を持とうと思ってもできない、そんな結末に泣いた女性たちがアラフォー世代より上にはたくさん存在することを付記しておきたい。

男女雇用機会均等法施行から30年経ち、いまのデキる女子は「労働と出産の両面で社会に貢献(奉仕)せよ」かつ「わきまえろ」という、社会の二重のメッセージを受け取っている。果たして、日本の女を取り巻く社会は、何がどう進化したのだろう。

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