富士フイルム後発医薬、合弁白紙の理由

インド企業との合意解消、自社技術活用に軸足

富士フイルムホールディングスが、次なる事業の柱に育成を目指す医薬品ビジネスの戦略を転換した。

富士フイルムは6月3日、インドのドクターレディーズラボラトリーズ社との間で交わしていた、合弁会社設立に向けた基本合意を解消すると発表した。売上高1300億円を超えるジェネリック医薬品の開発・製造・販売の世界的な企業であるドクターレディーズ社と、基本合意を締結したのは2011年7月。今回の解消によって、国内でもくろんでいたジェネリック医薬品(後発医薬品)分野の一段強化から軸足を移した格好だ。

重点領域を絞り、資金・人材などを投入

背景には、ジェネリック医薬品の分野では、自社の得意技術やノウハウが十分に生かせないという富士フイルムの判断とともに、今年度(14年3月期)の黒字化を目指す医薬品ビジネスの重点領域を絞り、より集中して資金・人材などを投入していく狙いがある。

富士フイルムは08年に低分子医薬品の開発・生産を手がける富山化学を買収して医薬品事業に本格参入。その後も12年に協和発酵キリンとの合弁でバイオシミラー医薬品を開発・生産する協和キリン富士フイルムバイオロジクスを立ち上げるなど、医薬品事業の育成に力を入れてきた。

今年度の医薬品事業は、富山化学の感染症領域の主力製品や富士フイルムファーマが国内専売権を獲得したバイエル薬品の薬剤の販売増、富士フイルムダイオシンスバイオテクノロジーズのバイオ医薬品の受託製造などが貢献し、営業黒字化する計画を立てている。富士フイルムは同日、自社での研究・開発をもとに初めて臨床試験をスタートさせる医薬候補品となる、抗がん剤の再発・難治性骨髄異形成症候群を対象とする国内第1相臨床試験開始も発表した。

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