1泊1円も登場!旅行サイトは戦国時代へ じゃらん、楽天を追い越せ!エクスペディアが攻勢
もっとも、米ナスダック市場に上場するエクスペディアの時価総額は、およそ78億ドル約8000億円弱)に及ぶ。資金は潤沢だし、「世界でオペレーションをしているスケールメリットもある」(三島社長)。先行投資で多少出血しても、日本での知名度を上げようと、出費をいとわない。
専業は楽天トラベル、じゃらんnetが2強
裏返せば、日本市場で後発のエクスペディアにとって、“目玉”を次々と打ち出す以外に注目してもらえる近道はない。それだけ日本の旅行サイトは飽和状態にある。
旅行サイトの2強と言えば、「楽天トラベル」と「じゃらんnet」が双璧だ。それぞれ楽天、リクルートグループに属する(リクルートの海外旅行版は『エイビーロード』)。うち楽天トラベルは国内宿泊施設が約2万8000件と圧倒的。宿泊などで貯めた楽天スーパーポイントは、ネット通販の「楽天市場」でも利用できるなど、楽天グループの機能を幅広く利用できる。
一方、じゃらんnetは、月刊旅行誌『じゃらん』のネット版である。こちらも宿泊施設件数は約2万3000件と、楽天トラベルよりやや劣る程度。雑誌から出発しただけあって、温泉地ランキングをはじめ、各種の企画やコンテンツが充実している。
ちなみに誰でも無料で見られる、旅行サイトの“儲けの仕組み”とはこうだ。
まずユーザーがサイトを見て、泊まりたいホテルを予約。その後実際に現地で泊まり、カネをホテルに支払う。そうして後日、ホテルから宿代の数%がサイト側に支払われる、という構図だ。単にネットを見てもらっただけではダメで、そのホテルに足を運ばせ、何人に何泊してもらえるかという、従量課金である。まず入口となる旅行サイトにとっては、ホテルやチケットの品ぞろえ、価格、さらに画面の使い勝手などが差別化の要因となる。表向きの宿泊代を下げる際、サイトが自らのマージンを削るケースも少なくない。
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