想定外の使われ方を、商機に変える
ただ、これはチャンスにもなりえます。もうひとつ編集部がまったく想定していなかった『ゼクシィ』の使われ方に、プロポーズがありました。
『ゼクシィ』が1年で最も売れるのはクリスマス。書店に詳しく聞いてみると、ひとりで買いに来る男性が多くて、ラッピングを頼んでいると。これはきっと彼女へのプレゼントですよね。確かに口下手な男性でも、『ゼクシィ』を使えばプロポーズしやすいかもしれない。
そういうことならと、昨年のクリスマスに急きょ『プロポーズ専用ゼクシィ』というのを作りました。中身は普通のものと同じですが、表紙の目立つところが、プロポーズの文言になっているんです。これを数量限定で発売したら、あっという間に完売しました。大きなニーズがあったんですね。
――うわー!!それは女子に刺さりますね。こうなると、購入する本人たちにとっても、単なる情報誌を超える価値がありますね。
まさに、そういうところを目指したいんです。プロポーズをされたときの思い出、幸せの象徴というか、単なる情報誌という「モノ」ではなく、そういうスペシャルな「コト」を『ゼクシィ』を通じて創出していきたい。
――ところで、日本の結婚式ですが、時代によって変化はありますか?
ええ、移り変わりがありますね。結婚式に向けた準備の仕方ひとつとっても、昨年と今年の花嫁の考え方は、ぴったり同じではありません。
1980年代は「ハデ婚」の時代でした。大きなシャンデリアのある式場で、金屏風を置いて、スモークをたいたり、高いイミテーションケーキを用意したり。2人が主役の、派手な結婚式です。
これが90年代になると、一転して「ジミ婚」の時代になります。芸能人でも、婚姻届を出すだけで式を挙げないという方が多かった。そして「レストランウエディング」の初期の形で、ほとんど演出のないお食事会形式の結婚式もブームでした。
2000年代は、「アットホーム婚」の時代です。90年代までと大きく違うのは、2人だけが主役ではなく、みんなが主役の結婚式になったこと。ゲストハウスという邸宅式の式場、つまりゲストがみんなでゆっくり触れ合えるようなハードが増えてきたことも背景にありました。
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