20代は「インプットモード全開」にするべきだ 筆者は1日18時間働きながら次々に資格取得

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M&Aと法務知識は切っても切れない関係ですし、仮にM&Aアドバイザリー業務ではなく投資銀行における株式または債権などの資金調達系の業務だとしても、企業ファイナンスにかかわる法務知識がさまざまな面で必要とされます。書かれているMBAやCPAのほかにも、実際に投資銀行勤務で弁護士資格や税理士資格を有している人は多いものですし、そのような人たちは有資格者ならではのプラスアルファ業務で差別化を果たしていることも確かです。

ただ、肝に銘じておかなければならないのは、あくまでもそういった周辺知識が評価されうる前提として、コアであるM&Aの知識や経験において評価される土壌があり、「そのうえでのプラスアルファ」であるということです。

つまり、それらの資格を取得して知識を得ることだけで評価されることはなく、あくまでもコアの部分がしっかりしているからこその評価である、ということです。

加えて、そもそも資格そのものにはもはや何の価値もない以上は、取得後を見据えずにやみくもに資格取得をしてもまったく意味がありません。資格を取得して活躍できるか否かは、ひとえに、「その後」を見据えているかどうかの違いでしかありません。

インプットモードを全開にしよう

そう考えると順番としては、①コア部分をしっかりと固めると同時に、②たとえば弁護士資格を取得してどんな差別化を図りたいのかを明確にしたうえで、③勉強に臨む――という取得後の姿を明確に描くべきでしょう。

資格が武器となるのは、正直、若いうちだけです。

20代前半や中頃であれば、資格を持っていることがある意味で自分の仕事における品質保証のような名札になったり、将来に対する期待感を醸成できますが、30歳を過ぎて資格を持っている事実だけで自分の能力を語ったり、周りから評価されようとするには無理があります。

そこからは資格うんぬんではなく、仕事における実力こそ、いや実力「のみ」が自分のブランドとなるのです。

長谷川さんは25歳ですがから、まだまだインプットモード全開であるべきです。その時期にインプットした量が、そのまま30代以降の仕事のアウトプットに跳ね返ってきます。つまり、現在やらずにどうするという状態で、私ならどんなに仕事が忙しくても、どんなにおカネがなくても将来のための先行投資を若いうちにしないという選択肢はありません。

実際に1日18時間を週6日働いていた20代前半から中頃の時期でも、空いた時間で勉強して、業務に関する資格だけでも3つ取得しました。当時はランチ代を削ったりしながら参考書を買いあさったものです。

先行投資なくしてリターンなしです。

長谷川さんが短期的な視点に左右されず、長い目で見た際のリターンを冷静に計算され、やるべきことを棚卸ししたうえで、若いエネルギーを将来のご自分に向けられることを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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