納得!ニトリが大切にする「成功の5原則」 何よりロマンを持つことが大事だ

拡大
縮小
“ 月に70万円の売上がないと利益が出ないのに、実際の売上は40万円ほど。創業したはいいけれども、いつ倒産するか時間の問題という状態でした。お金がない私は穴の開いたジャンパーを着て、インスタントラーメンばかり食べて、不健康で歯茎から出血するような有様でした。 ”
(『ニトリ 成功の5原則』より、以下引用箇所は同様)

 

しかし、経営がうまくいかなかった27歳のときに、「状況を変えるヒントがないだろうか?」と視察のために訪れたアメリカで抱いた「ロマン」が、似鳥氏の人生を変えることになります。そこに、人生の師として尊敬する故・渥美俊一氏から教わった「ビジョン」が加わり、似鳥氏のビジネスを大きく変えることになったのです。

似鳥氏は、渥美氏の教えをもとにしながら、成功を収めるまでの実体験をふまえて「成功の5原則」をまとめあげました。その5原則とは、「ロマン(志)、 ビジョン(中長期計画)、意欲、執念、好奇心」だと言います。この原則は「どうしたら成功できるのか?」をニトリの社員に示すために考えられたものですが、多くのビジネスパーソンにも通じる原則として、本書で紹介されています。

意外なことに、かつては「のろまなカメ」と思われていたという似鳥氏ですが、渥美氏から「鈍重でもいい、一歩一歩前へ進め」と言われた言葉に支えられ、この5原則を意識したことで成功を掴みました。似鳥氏は、この5原則があれば、マイナスからのスタートでも成功できると唱えています。

“ 落ちこぼれのいじめられっ子だった私が、どうしてこれほど大きな成功を収めることができたのでしょうか。それは、私の考え方が変わったからです。そもそも机上の問題を解く力と、実社会で活躍する力とはまったく別です。(中略)「勉強ができないから、成功もできない」と思うのは間違っています。大事なのは物の見方、考え方なのです。考え方を変えることで人生を変えていけるのです。 ”

成功のその先をイメージすることの大切さ

「成功の5原則」の中でも一番大切なことは、「ロマンを抱くこと」だと似鳥氏は言います。そして二番目に大切なことは、「ビジョンを持つこと」です。

ロマンを抱くこととは、「人のため、世のために、人生をかけて貢献したい」と考えることです。ロマンは「大志」と言い換えてもいいでしょう。

似鳥氏がこの考えに至ったのは、前述のとおり、27歳のときにアメリカの豊かさに衝撃を受けたことがはじまりです。そして、「日本人の暮らしをアメリカのようにしたい」と考えました。当時1970年代のアメリカ文化といえば、日本人にとって実現困難な憧れの対象です。それでも似鳥氏は、「アメリカ人にできて、日本人にできないはずはない」とロマンを抱きました。

次ページ「ロマン」の持ち方について
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT