納得!ニトリが大切にする「成功の5原則」 何よりロマンを持つことが大事だ
しかし、経営がうまくいかなかった27歳のときに、「状況を変えるヒントがないだろうか?」と視察のために訪れたアメリカで抱いた「ロマン」が、似鳥氏の人生を変えることになります。そこに、人生の師として尊敬する故・渥美俊一氏から教わった「ビジョン」が加わり、似鳥氏のビジネスを大きく変えることになったのです。
似鳥氏は、渥美氏の教えをもとにしながら、成功を収めるまでの実体験をふまえて「成功の5原則」をまとめあげました。その5原則とは、「ロマン(志)、 ビジョン(中長期計画)、意欲、執念、好奇心」だと言います。この原則は「どうしたら成功できるのか?」をニトリの社員に示すために考えられたものですが、多くのビジネスパーソンにも通じる原則として、本書で紹介されています。
意外なことに、かつては「のろまなカメ」と思われていたという似鳥氏ですが、渥美氏から「鈍重でもいい、一歩一歩前へ進め」と言われた言葉に支えられ、この5原則を意識したことで成功を掴みました。似鳥氏は、この5原則があれば、マイナスからのスタートでも成功できると唱えています。
成功のその先をイメージすることの大切さ
「成功の5原則」の中でも一番大切なことは、「ロマンを抱くこと」だと似鳥氏は言います。そして二番目に大切なことは、「ビジョンを持つこと」です。
ロマンを抱くこととは、「人のため、世のために、人生をかけて貢献したい」と考えることです。ロマンは「大志」と言い換えてもいいでしょう。
似鳥氏がこの考えに至ったのは、前述のとおり、27歳のときにアメリカの豊かさに衝撃を受けたことがはじまりです。そして、「日本人の暮らしをアメリカのようにしたい」と考えました。当時1970年代のアメリカ文化といえば、日本人にとって実現困難な憧れの対象です。それでも似鳥氏は、「アメリカ人にできて、日本人にできないはずはない」とロマンを抱きました。