納得!ニトリが大切にする「成功の5原則」 何よりロマンを持つことが大事だ
このように書くと簡単なことのように思えますが、本書を読んで興味深かったのは、「似鳥氏と一緒にアメリカへ訪れた40人ほどの人々は、同じ家具業界の人でありながら、ひとりとして同様のロマンを描けた人はいなかった」ということです。
この「視点の違い」こそが、似鳥氏の述べる「ロマン」なのです。そして、この「ロマン」を抱いた似鳥氏の行動が、以前と比べてどのように変わっていったのかも本書では書かれています。結果としてこの気持ちがビジネスを大きく動かしました。本書は、そのようにロマンを持ち、先をイメージすることの大切さを教えてくれます。
似鳥氏は、ロマンの持ち方について、このようにも書いています。
フランスの作家・ジュールヴェルヌは、「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」と述べていますが、いかにリアルな想像をできるか、本気で自分ごととして想像できるか、が成功の原則なのでしょう。
いかにして「ロマン」を実現するか
しかし、「ロマン」だけでは夢は実現しません。似鳥氏は、「ビジョンを持つことで、それだけでは漠然としていたロマンが形を持ってくる」と言います。このときの「ビジョン」とは、具体的な目標のことです。
そうして立てたロマンとビジョンの追求には、必ずリスクが伴います。その挑戦において必要となるのが、「意欲」。すなわち、「できそうもないことに挑戦する」気概です。さらに、「目標を達成するまでにあきらめない」という「執念」。そして、ありえないほど高い目標を達成しようというときに必要な、今までとは違うやり方を探す「好奇心」が支えとなるのです。
本書を読むことで、似鳥氏の述べる「成功の5原則」が、具体的にどのようなものなのかがわかります。そしてそれが、時価総額1兆5000億円を超えるニトリをつくってきました。
成功するための思考法を求めるビジネスパーソンにとって、本書は成功への指針となることでしょう。
最後に。本書は似鳥昭雄氏が「成功の5原則」を実体験とともに記したものですが、本書を出すきっかけになったのは、2015年4月から日本経済新聞で連載されていた「私の履歴書」でした。
掲載直後から、「ぶっとんでいる」「おもしろい」「そこまで言っていいの?」という評価で話題になった「私の履歴書」の連載も、まとめて一冊の本になっています。似鳥昭雄氏の波乱万丈、破天荒な人生をのぞき見してみたい人には、この本がおすすめです。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら