近づくマイナス金利、ドラギ総裁も手詰まり?

景気・経済観測(欧州)

ここで言うマイナスの預金金利とは、個人が民間の銀行にお金を預けて受け取る金利の話ではない。民間の銀行が法定の準備預金を超えて中央銀行に預ける超過準備に付与される金利がマイナスに引き下げられることを指す。

民間銀行は通常、安全で自由に出し入れが可能な中央銀行の準備預金に余剰資金を置いている。預金金利がマイナスになると、民間銀行は利息を受け取ることができなくなるばかりか、罰則金利を取られてしまうことになる。普通に考えれば“預け損”なわけで、民間銀行が超過準備の一部を貸出などに振り向ける努力をする結果、経済活動を刺激する効果が期待される。

過去にはスウェーデンやデンマークで実施例

過去には2008年の金融危機時にスウェーデンの中央銀行(リクスバンク)が政策金利の一種である1週間物の預金ファシリティ金利をマイナスに引き下げたことがある。ただ、同国ではマイナス金利が適用される超過準備の残高はごく僅かで、預金金利をマイナスに引き下げたのも景気刺激効果を狙ったものというより、結果としてマイナス金利になってしまったという側面が強かった。

また、昨年7月にはデンマークの中央銀行が譲渡性預金(CD)金利をマイナス圏に引き下げたが、これは金利差拡大による為替の増価を避けることに主眼が置かれていた。デンマークの通貨クローネはペッグ制を採用しており、対ユーロでの変動幅を一定範囲内に抑えている。デンマーク中銀がECBの利下げに追随して政策金利を引き下げたことで、政策金利に連動する預金金利がマイナスに転落した訳だ。

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