強硬姿勢の裏で、北朝鮮が探る経済開放

自国経済の立て直しに本腰

今年2月の核実験以降、日米や国連などによる経済制裁が続く北朝鮮。それに対抗して、北朝鮮は核による威嚇を続けているが、一方で自国経済の立て直しに本腰を入れようとしている。その一つが変動相場制の導入だ。

「今年3月末から実施されており、平壌市内では、市民が自由に北朝鮮ウォンから外貨に交換できるようになっている」(韓国の北朝鮮事情通)という。

北朝鮮では、公定レートと、実勢レートである闇レートが存在する。現在、公定レートは1ドル=100ウォンとなっているが、実態は1ドル=6000ウォン前後で交換されているようだ。今後、公定レートはなくし、闇レートにすべての価格を合わせることになる。

変動相場制を導入するのはなぜか。前出の事情通は「物価上昇のリスクが大幅に高まるが、それでも外資を導入して経済成長への起爆剤にしたいという金正恩(キムジョンウン)政権の意志」と説明する。

朝鮮労働党の機関紙である労働新聞などでは「核兵器開発と経済発展の並進路線」を強調する論調が目に見えて増えている。特に4月1日に開催された最高人民会議で金正恩第1書記が強調したのは、経済強国の建設だった。

これに先立ち、3月中旬に行われた朝鮮労働党中央委員会総会でも、金第1書記が各道(道は行政単位)に経済開発区を作ろうと話をしている。「どんな開発区なのか具体的にはわからないが、中国のようなものであれば、黄海側の黄金坪(ファンググムピョン)や日本海側の羅先(ラソン)経済特区のような中朝国境付近だけでなく、全国に対外開放区域が広がることになり、画期的な試み」(韓国・統一省関係者)だ。

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