米国経済は再びスプリング・スランプに陥るか 景気・経済観測(米国)

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加えて、2011年は米国の政治リスクに注目が集まった年でもあった。前年の中間選挙で共和党が躍進、とりわけ緊縮財政を掲げるティーパーティーの勢力が増したことで、大統領や民主党との対決姿勢が強まったからだ。実際、2011年春には暫定予算の延長を巡る議論が紛糾し、政府閉鎖のリスクが高まったほか、夏には債務上限の引き上げが難航、米国債のデフォルト危機が生じたことは記憶に新しい。

2012年には、イラン核開発問題により中東の地政学リスクが増大し、ガソリン価格の高騰が再び消費を圧迫した。また、欧州ではスペインの金融危機が発生、ギリシャのユーロ離脱観測も浮上するなど、債務危機への懸念がピークを迎えることとなった。

米国では、歴史的暖冬の反動に加え、秋の大統領選挙を控えた党派対立の激化による政治の機能不全が、回復の重石となった。

このように、過去3年間の景気減速の背景には、共通したそれなりの理由が存在する。海外要因としては、欧州債務危機や中東の地政学リスクの高まり、国内要因では、ガソリン価格の高騰と政治の先行き不透明感である。

海外のリスク和らぎ、ガソリン価格はむしろ低下

では、今年はどうか。それぞれの要因を過去と比べてみると、必ずしも状況が同じというわけではなさそうだ。

欧州では未だに債務危機の火種が燻っているものの、懸念されたキプロス問題は沈静化しつつあり、イタリアでは新政権発足で政治的空白に終止符が打たれた。こうしたことも相まって、金融市場は過去3年に比べ落ち着きをみせている。中東では、シリアの内戦状態が長引いているが、商品市場への影響は2011年、2012年に比べ極めて限定的だ。米国のガソリン価格は足元で前年を下回っており、むしろ個人消費を下支えする一因となっている。

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