米経済に先行き不安、QE3年内縮小派に障害

3月FOMCは「QE3年内縮小論」優勢だが、直近指標は弱含み

3月19~20日に開催された米国連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録(4月10日公表)を読み解くと、QE3(1カ月850億ドルの証券購入)の「2013年内縮小・停止」が視野に入っていたことが明らかになった。前月のFedウォッチャーでは「QE3の運営は裁量的にならざるを得ず、FOMC参加者らの発言次第で、QE3に対する市場の期待は大きく変わり、金融市場のボラティリティが高まるおそれがある」と指摘したが、3月会合の議事録はまさにサプライズとなった。

「2013年終盤の縮小」を支持したFOMC指導部

FOMCの議事録は、おおよそ次のような3部構成となっている。すなわち1)連邦準備制度理事会(FRB)スタッフによる景気・金融市場の現状説明と見通し、2)投票権を持たない地区連銀総裁らを含む「参加者」(計19名)による現状分析、3)投票権を持つ「委員」(計12名)らによる政策ディスカッション(Committee Policy Action)、である。

ただQE3の運営にあたっては、そのメリットとデメリットを継続的に評価することになっており、3月議事録では上記2)と3)の間に、「参加者らによる資産購入の評価」(Review of Efficacy and Costs of Asset Purchases)、というパートが加わった。1月会合の議事録でも2)に相当するパートで参加者らによる資産購入の評価が行われているが、3月会合ではより多くの時間が「参加者らによる資産購入の評価」に割かれたことがうかがえる。

「参加者らによる資産購入の評価」の内容は多岐にわたるが、サプライズだったのは、QE3変更のタイミングに関わる議論の中で「労働市場の見通しが継続して堅調な改善をみせるなら、今後数四半期のどこかでQE3のペースを緩めることができる」との見方を「多くの参加者」(many participants)が表明した点である。これに対し、「複数の参加者」(a few participants)が「現状では少なくとも年末までは現行ペースで継続するべきだ」と述べているが、2014年という文言は見当たらない。

次ページ「年末まで現行維持」派が消えかかっていた
マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 買わない生活
  • 映画界のキーパーソンに直撃
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
大乱世の思想ガイド<br>マルクスvs.ケインズ

戦後社会の信念とイデオロギーが崩れ落ちる今、危機を乗り越えるための思想が必要です。脱経済成長を旗印に支持を広げる新マルクス主義とコロナ禍で完全復活したケインズ主義を軸に、大思想家が残した知恵を学び直します。

東洋経済education×ICT