自律回復へ正念場を迎えた個人消費 景気・経済観測(米国)
冬の寒さが長く厳しいニューヨークだが、4月に入って、ようやく春の訪れを実感できるようになってきた。筆者が生活するマンハッタンでも、米国の春の風物詩であるイースター・パレードが開催された。パレードと言っても誰でも参加できる仮装大会のようなもので、ブランドショップが立ち並ぶ5番街は、イースターを象徴する卵やうさぎなどのモチーフを身につけた人々で埋め尽くされた。
日本ではあまり知られていないが、イースター商戦は米小売業界にとって重要なイベントである。全米小売業協会(NRF)の調査によれば、その規模は今年、およそ170億ドル(約1.6兆円)に達すると見込まれている。これは、クリスマス商戦や新学期商戦に及ばないものの、バレンタインデーや母の日に匹敵する額である。その需要を少しでも取り込もうと、各地の百貨店やオンラインストアでは連日のように関連セールが実施された。
増税にもかかわらず健闘する個人消費
そうした販促活動が奏功したわけではないだろうが、足元の個人消費は堅調に推移している。
2月の実質個人消費は、前月比+0.3%と市場の事前予想(同+0.1%)を上回る伸びをみせた。1月の結果も同+0.1%から同+0.3%に上方改訂され、年明け以降、増税が実施されたにもかかわらず、個人消費が予想以上に健闘したことが明らかとなった。仮に3月も1-2月と同様のペースで拡大を続けたとすると、1-3月期の個人消費の伸びは前期比年率プラス3.6%に達する。3%半ばを超えるのは、2010年10-12月期以来およそ2年ぶりのことである。
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