米国経済は再びスプリング・スランプに陥るか

景気・経済観測(米国)

懸念される要因があるとすれば、国内での財政協議の行方だろう。

4月に発表されたオバマ大統領の2014年度予算教書では、財政再建に向けて、税控除の見直しなどによる歳入増とともに、医療給付や年金給付の抑制などで歳出削減に取り組む方針が示された。いわゆるバランス型の予算である。

一方、共和党は3月に別途独自の予算案を発表し、2023年に財政収支を均衡させるという野心的な目標を設定した。収支均衡には10年間で4.6兆ドルの赤字を削減する必要があるが、共和党案では増税を一切行わず、オバマケアの撤廃など歳出削減だけでまかなうとしている。これは、先述の大統領案とは全く異なるアプローチだ。

財政協議をめぐって妥協を探る動きも

これだけを見ると、両者の歩み寄りは困難なように思える。しかし、昨年とは異なり、財政協議に関しても潮目が変わりつつあることに注意する必要がある。実際に、今年は、2月の債務上限問題や3月の暫定予算の期限切れといった政治上のハードルを、大きな混乱もなく乗り越えてきた。

また、共和党がとってきたこれまでの強硬路線が、世論の支持を得たとは言い難く、ティーパーティーなど財政緊縮派の勢いは、一時に比べ衰えている。共和党の中には、今回の予算教書に社会保障給付の抑制が盛り込まれた点を評価し、妥協を探る動きがみられるなど、現実路線へ転換しつつある様子もうかがえる。財政協議をめぐっては、従来同様、期限直前までハラハラ・ドキドキさせられるだろうが、その影響は軽微なものにとどまると予想される。

そもそも米国では、回復の足かせとなってきた家計の過剰債務調整がほぼ終了しつつある。加えて、懸案だった住宅市場も回復基調が鮮明となっており、正常化に向けた環境整備は着々と進んでいる状態だ。つまり、昨年までとは異なり、突発的なショックへの耐久力は格段に増している。確かに、春先の経済指標は弱含んでいるが、スプリング・スランプのリスクを推し量るには、類似点だけなく、これまでとの相違点にも十分配慮する必要があるだろう。

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