香川らに学ぶ、多国籍チームへの溶け込み方

サッカー海外組が実践する、3つの方法論

異文化交流好きと仲良くなる

奥寺康彦(現横浜FC会長)が1977年夏にケルンに移籍したときもそうだった。家族ぐるみで付き合ってくれたのが、チーム一の嫌われ者、ドイツ代表FWのディーター・ミュラーだったのである。

ミュラーはストライカーらしく自己中心的で、チームメイトの反感を買っていたが、なぜか日本から来た2歳下のMFを頻繁に飲みに誘った。奥寺もビールを飲むと饒舌になり、“ノミニケーション”で言葉の壁を乗り越えた。

細貝萌(現レバークーゼン)が2011年1月から2012年夏までアウクスブルクでプレーしているとき、親しくなったのがドイツU21代表のモリッツ・ライトナーだった。当時、ライトナーは強豪ドルトムントからのレンタル選手で、「自分のほうが格上」と思っており、チームメイトと距離が生まれていた。細貝もレバークーゼンからのレンタルだったこともあって意気投合し、母親を紹介されるまでになった。

おそらくどの組織の変わり者も、どこか孤独を感じているのだろう。異国から来てグループになじめない人間も、同じように孤独を感じている。両者は置かれている状況が似ているため、“同盟相手”としてはうってつけの部分があるのだ。

長谷部と岡崎のケース

2つ目は、「異文化交流好きと仲良くなる」ケースである。

長谷部誠が2008年1月にドイツのヴォルフスブルクに加入したとき、親切にしてくれたのがサシャ・リーターとマルセル・シェーファーだった。ドイツ人の中には、外国人相手でもしゃべるスピードをいっさい落とさない者もいるが、リーターやシェーファーは相手の立場になってゆっくりとドイツ語を発音してくれた。勉強中の身にとって、これほどうれしいことはない。

岡崎慎司が2011年1月にシュツットガルトに移籍したときは、DFのゲオルグ・ニーデルマイヤーがその役を担った。この長身センターバックはまるで家庭教師かのようにゆっくり話し、みんなでサッカーをTV観戦する食事会にもよく誘ってくれた。

どの組織にも、異文化交流が好きなタイプの人間がいるものだ。そういう人の好意を無駄にせず、むしろ積極的に利用すれば、溶け込むスピードが格段に上がる。

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