“1億総スマホ時代"にわが子を守れますか 受講者500万人突破の「ドコモケータイ安全教室」に密着

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ドコモが2月に発売した子ども向けスマートフォン 「スマートフォンfor ジュニア SH-05E」(シャープ) (撮影:梅谷 秀司)

一方、見学に訪れた保護者に話を聞くと、「今は子どもに従来型の携帯を持たせているが、自分自身もなかなか使いこなせておらず、教育するのは難しい。これからスマホになれば、もっとわからなくなってしまうので不安」(6年生男子の母親)。「携帯電話に詳しくない親でも簡単にフィルターを設定できるような機能があればいい。ケータイ教室のような取り組みは中学校でも継続してやってもらえるとうれしいのだけど」(同じく6年生男子の母親)といった声が聞かれた。

親としても携帯電話のメリットを認めつつも、端末の進化があまりに早いために知識が追いつかず、子どもにどう教育すればよいか迷っているのが実情のようだ。

家庭でも親子が使い方を話し合える環境を

ケータイ教室を担当するドコモ社会環境推進部の鈴木洋社会貢献担当課長は、子供への教育だけでなく、家庭や学校全体で携帯電話の使用について考えていく必要があると指摘する。「保護者や教員の方々にも、携帯電話についてもっと知ってもらいたい。ケータイ安全教室は年間6000回程度のペースで開催していくが、ホームページからの配信もさらに強化するなど、家庭でも親子が携帯電話の使い方について話し合っていけるような環境を作っていきたい」。

鈴木氏によれば、マナー面などの基本的な内容は、教室の開始当初から変わっていない。ただし、トラブルの事例は出会い系などから、交流サイト、ゲームの課金、不正アプリなど、さらに多様化してきたという。“1億総スマホ時代”に向けて、子どもたちの安心・安全をどのように確保していくのか。ドコモをはじめとする携帯電話会社に求められる役割は、さらに増していきそうだ。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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