「働き方改革」を潰す社内幹部のアレルギー

うまくいくかは経営トップ層の「腹オチ」次第

社外との接点をどう活用し、どう自身の豊かさにつなげるのか。「自己成長」や「オープンコラボレーション」といっても、納得のいくものばかりではなく、あまりにも内容がバラつくケースが多い。義務感だけの働き方改革になると、本腰が入らない。

会社組織だって同じだ。単純に残業時間(≒人件費)を削り、いわゆる「ホワイト」な環境にすることは分かりやすいが、こうした取り組みによって、その先、組織として何を目指すのかは明確に設定、発信されているだろうか。そこに納得感は得られているだろうか。それで競争力が落ちて会社丸ごと沈没しては元も子もない。

フェース・トゥ・フェースの強すぎる呪縛

続いて、これも、実際にあった例なのだが、ある大手総合商社では、働き方改革の一貫として、在宅勤務(リモートワーク)の導入の検討を進めていた。業務上、出社の必要性が低い場合には、それに応じた働き方を推進するもので、リモートワークのトライアル実施者からもおおむね前向きな声が多かった。しかし、である。検討の最終段階で、幹部層の鶴の一声で、結局導入はオジャンになった。

それは、「商社マンたる者、Face to Face(フェース・トゥ・フェース)だ!」

もちろん、顔を見て話すことで伝わることもあり、フェース・トゥ・フェースの重要さは言うまでもない。しかし、あらゆる人のあらゆる業務がすべて、フェース・トゥ・フェースでなくても成り立つという声も、リモートワークのトライアル体験者から多く挙がった。しかし、結局、その考えは幹部層に受け入れられなかった。「商社マンらしくない」という理由で。

実は、他の業界でも同様のケースは多い。本音では、上位者側が「自分が働いてきた環境を変える」ということへのアレルギー反応が強いのだ。

環境が変われば、上位者にはこれまでとは違うマネジメントスキルが必要になる。距離が離れていれば、会って話して、業務は横で都度相談、困ったら飲みニケーションというマネジメントでは限界が来る。リモートワークでも皆がうまく働けるような環境をつくるマネジメントの進化には向き合わず、「リモートワークにすると、信頼関係がなくなる、すぐにサボるはずだ!」という話になってしまう。

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