腐敗が明白でも「プーチン王朝」は揺るがない

ロシア独特の事情が、在位20年を可能にした

18日のロシア下院選の投票終了後に選対本部を訪れたプーチン大統領(右)とメドベージェフ首相(左)(写真:Sputnik/Pool/Ekaterina Shtukina via REUTERS)

ロシア下院選挙の数日前、反汚職活動家アレクセイ・ナワルニーが、前大統領でもあるメドベーシェフ首相の豪邸を撮影した動画を公開した。

ナワルニーとその仲間は、同首相がインスタグラムに投稿したボルガ川近くでのキノコ狩りの写真をもとに首相の居場所を探し当て、カメラ付きのドローンを飛ばした。約80ヘクタールに及ぶ邸宅の敷地内には、複数のヘリポートやスイミングプール、人工のスキー場、18世紀に建てられた壮麗な館などが確認された。この施設の保有名義は、首相夫人のスベトラーナに関係する慈善団体となっている。

汚職の証拠は選挙に響かず

最高権力者の腐敗の証拠を示すものとして、この動画には強い効力があったが、有権者の投票行動には、あまり響かなかった。下院選挙ではプーチン大統領率いる与党の「統一ロシア」が大幅に議席を増やすとともに、統一ロシアに同調する野党3党も議席を確保した。

明るい面は、統一ロシアの得票数自体が減った点だ。議席が増えたのは、投票率が50%を割り込み、旧ソ連時代を通じて過去最低となったことが大きい。暗い面は、リベラル派の野党が得票5%ルールの壁を破れず、議席を失ってしまったことだ。

プーチンが9月18日の投票終了後に行った勝利宣言は短く、熱のこもっていないものだった。プーチンが信奉しているとされる哲学者イワン・イリイン(第二次大戦後に国外追放)は、選挙は国家指導者を支持する儀式に過ぎないと規定するロシア流ファシズムを提唱していた。

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