シェール革命で、アメリカはデフレになる アメリカの景気が回復するなかで、避けられないこと

✎ 1〜 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 13
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

供給増で、エネルギー価格は下落トレンドになる

石油メジャーがシェールガスの開発を本格的に始め、多くの中小企業がシェールオイルの開発に流れたのは、長期的な視野でとらえると、アメリカ・カナダの北米では天然ガスや原油の供給量が増加の一途をたどるということを意味しています。国際エネルギー機関(IEA)によれば、アメリカは15年までに天然ガスでロシアを抜き、17年までには原油でサウジアラビアを抜き、ガス、原油の双方のエネルギー資源生産量で世界一になると見られています。

また、石油メジャーがシェール開発ですでに進出している国々は、アメリカ、カナダを筆頭に、ロシア、中国、ポーランド、ウクライナ、トルコ、コロンビア、アルゼンチン、アルジェリア、南アフリカと、世界中にまたがっています。
 アメリカとカナダ以外ではまだ大きな成果が見込めない状況にありますが、今後この中のいくつかの国々では試験的な採掘で良い結果が出るケースも出てくるでしょう。アメリカ、カナダ以外の国々でも、シェールガスやシェールオイルの供給国になる可能性が高いのです。

たとえ世界の人口が右肩上がりに増加することによって天然ガスや原油の需要が増加したとしても、それ以上にアメリカ・カナダを中心に世界中の生産拠点から供給が増加することによって、天然ガスや原油の価格は大きな流れでは下落する傾向を止めることができないでしょう。

中原 圭介 経営コンサルタント、経済アナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

なかはら けいすけ / Keisuke Nakahara

経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。企業・金融機関への助言・提案を行う傍ら、執筆・セミナーなどで経営教育・経済教育の普及に努めている。経済や経営だけでなく、歴史や哲学、自然科学など、幅広い視点から経済や消費の動向を分析しており、その予測の正確さには定評がある。「もっとも予測が当たる経済アナリスト」として評価が高く、ファンも多い。
主な著書に『AI×人口減少』『これから日本で起こること』(ともに東洋経済新報社)、『日本の国難』『お金の神様』(ともに講談社)、『ビジネスで使える経済予測入門』『シェール革命後の世界勢力図』(ともにダイヤモンド社)などがある。東洋経済オンラインで『中原圭介の未来予想図』、マネー現代で『経済ニュースの正しい読み方』、ヤフーで『経済の視点から日本の将来を考える』を好評連載中。公式サイトはこちら

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事