32歳高年収女子、「モテ女テク」に悶絶した! 東京カレンダー「崖っぷち結婚相談所」<5>

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由香は可憐な笑顔と共に最後にサラっと大きな爆弾を落とし、男性陣の一人の医者とタクシーに乗り込み去って行った。

杏子を送ると手を挙げる男はいない。杏子は軽くお辞儀をして小走りにその場から去り、少し距離を置いたところで一人タクシーを捕まえた。

同性から見せつけられた圧倒的な格差

一人になった瞬間、どっと疲れが噴き出した。同時に涙が溢れそうになるのを、何とか堪える。直人から出された宿題は、予想以上に重かった。杏子は今回も、誰からも連絡先を聞かれなかった。その上、元彼まで奪われていた。

由香を恨むわけではない。しかし、外見もキャリアも自分より劣る女が、明らかに自分よりもモテている様を目の当たりにすると、どうしても心がザワついた。

直人に酷いダメ出しをされるよりも、同性から圧倒的な差を見せつけられる方が、何倍も胸に堪える。先日直人に言われた通り、張り切ってラベンター色のブラウスを着て食事会に挑んだ自分が馬鹿みたいだった。所詮、ピンクの似合う女には敵わないのだろうか。

沈んだ気持ちでタクシーに揺られていると、スマホが鳴った。

――今週土曜日、京王プラザホテル『アートラウンジ』に13時、正木様とのお時間を設定しました。僕と12時に待合わせ、事前に少し打合せをしましょう――

直人からのメールだった。杏子からオファーを出した男性の一人と、マッチングが成功したようだ。食事会で荒んだ心に、一筋の光が射す。

直人に会いたい……。杏子は、一瞬無意識にそんなことを思った自分に驚く。違う、自分は疲れているのだ。それに、この不可解な由香と自分の差を、直人に合理的に解説してもらいたいだけだ。杏子は首を振って思考を正す。

――でも、もし直人が由香を見たら何ランクって言うんだろう……。しかし、再びそんな疑問が浮かぶと、杏子は悔しくて頭がおかしくなりそうだった。

――次回、直人と待ち合わせた杏子は……?

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