「そうじゃなくて…」と反論される人の"盲点" 職場で味方が多い人にはワケがある

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この質問のよいところは、相手の価値基準も見えてくるところです。「天候が悪かったから」、「競合が強かったらから」というふうに決め手を考える人なら、外部要因に左右されやすいと考えられます。「○○部長の鶴の一声が決め手だったよ」ということなら、人の言うことが重要。「万難を排して、実行しようと思った決め手は……」と語る人ならば自分で決めるコミットメントの強い人と考えられます。相手の理由や動機が分かると、相手を認めることもしやすくなってきますね。

相手を褒める相づちを使いこなす

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共感力の、最後の仕上げは相手を褒めることです。相手に「分かってくれた」と思われるために、欠かせないのが褒めることです。会話の中で褒めていることを積極的に示すのによいのは、魔法の相づちとして有名な「さしすせそ」です。

・・・ さすがです。/ 最高ですね。
・・・ 知らなかったです。
・・・ すごいですね。/ 素晴らしいですね。
・・・ センスがいいですね。
・・・ そうなんですね。/ そのとおりですね。

若い方はこの全部を「マジっすか?」で乗り切る方もいますが、相手によっては馬鹿にされたように感じる方もいます。社内コミュニケーションにとどまらず、営業での顧客とのトーク、異性との会話でなど、コミュニケーション全般で使えます。たった5つ程度の相づちを覚えるだけで、相手を褒め称えるには十分ですから、是非使ってみてください。

この相づちは、先ほどの検証力で確実に褒めポイントを見つけられる程、威力を増します。

「部長の決断力はさすがですね」
「そんな大切なことなのに、知りませんでした」
「あの環境でそういう行動をとれるとは、すごいことですね」
「君の調査報告の示唆は、いつもセンスがいいね」
「先程のこれからのリーダーに必要なことというお考えは、本当にそのとおりですね」

こんなふうに、「褒めポイント+さしすせそ」で言われたら、単なるおべっかではなく「この人は分かってくれている」と受けとめられると思いませんか?

このような話を、研修の場でした時に「上の人をやたらめったらに持ち上げている人を見ると、何となく違和感を感じていたが、共感ポイントと褒めポイントがきっちりとセットになっていれば大丈夫なんですね」という意見をいただいたことがあります。まさにそのとおりです。さらに言うなら、上の方にだけでなく、部下や後輩、同僚など全方位的にやることで、自分にメリットがある人だけを持ち上げる見えすいた行為という違和感はなくなります。

これからダイバーシティやグローバル化が進めば進むほど、「あの人は違う」と遠ざけてしまっては、仕事にならないでしょう。世代間のギャップや、前提の違いを乗り越え、信頼関係を築く力を身につけることで、上下左右全方位的に味方を作ってくださいね。

清水 久三子 アンド・クリエイト代表取締役社長・人材育成コンサルタント

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しみず くみこ / Kumiko Shimizu

アンド・クリエイト代表取締役社長・人材育成コンサルタント
大手アパレル企業を経て1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして新規事業戦略立案・展開プロジェクトをリード。「人が変わらなければ変革は成し遂げられない」との思いから専門領域を人材育成分野に移し人事・人材育成の戦略策定・制度設計・導入支援などのプロジェクトをリード。コンサルティングサービス&SI事業の人材開発部門リーダーとして5000人のコンサルタント・SEを対象とした人材ビジョン策定、育成プログラム企画・開発・展開を担いベストプラクティスとして多くのメディアに取り上げられた

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