男性は北野映画を見て勉強してほしい LiLiCoが語る「見るべき」映画とは

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――『アウトレイジ ビヨンド』といえば、北野武監督の作品としては初めて国内興行ランキングで初登場1位を獲得し、興収14億5000万円を記録したヒット作です。LiLiCoさんはどこに魅力を感じましたか?

かっこいいですし、わかりやすいですよね。(ビートたけし演じる主人公)大友になった気持ちで観ると、ラストシーンでそうとうスッキリすると思うんです。たとえ嫌な上司がいたとしても、ストレス解消にもなりますし、勇気をもらいたい人は絶対に観たほうがいいですよ。そういうところがすごく魅力的だなと思います。

男性もこういう作品を観て勉強してほしいですよ。筋を通す男っていちばんカッコいいですからね。礼儀とか仁義を大切にすると、世の中の仕事はもっとうまくいきますよ。みんな「不景気です。不景気です」とか言っていますけど、それは何にもしないからですよ。

外国人のほうが日本の礼儀を知っている

――ラモス瑠偉さんの例を出すまでもなく、外国出身のほうが仁義や礼儀にこだわる人が多いように思います。LiLiCoさんとお話をしていると、あらためてその思いが強くなります。

日本に来る外国人は、日本の歴史をよく知るお年寄りの礼儀や、近所付き合いに感銘を受けることが多い。厳しいことを言うおばちゃんだっているでしょうけど、それでもちゃんと笑顔で「こんにちは」と言えばいいだけですからね。

それもひとつのコミュニティーですよ。外国人は日本のそういうところにほれ込むのです。むしろ外国人のほうが「つまらないものですが」みたいな感じで、近所の方にお土産を渡したりしますよ。

かつて私の好きな言葉は「義理人情」だったんです。その後、あまりにもうまくいかなくてどん底に落ちたので、「一生懸命」になったんです。そしてその「一生懸命」を「適当」に変えたら売れてしまった……。なんか不思議な感じですけどね(笑)。とはいえ、「義理人情」という言葉は今でも好きですよ。

(撮影:今井 康一)

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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