「日本株を買うなら11月以降が良い」ワケ 相場の見極め方には「簡単なコツ」がある

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今から200日前はいつだったかというと、昨年11月後半ごろであり、当時の日経平均は、2万円を下回ったばかりのころでした。現在の株価水準よりも相当高いため、仮に株価が爆騰し2万円を超えてくれば話は別ですが、移動平均線は、一番古い営業日の株価を捨てて、一番新しい営業日の株価を入れて計算していきます。

それゆえ、このままだとしばらくは200日前の株価よりも、かなり安い株価が足されていくわけです。ということは、足元の200日線が上向きに転じることは、ありえないといっても過言ではありません。

投資をするなら2~3カ月先が良い?

ただ、思い出してみると、昨年11月後半から約2カ月で株価は3000円、約3カ月でなんと5000円も下落しました。ということは、いまから約2カ月~3カ月経つうちに、200日前の株価よりも現在の株価の方が高くなる場面がくるかもしれません。あくまでも株価が今の水準で踏みとどまっていればの話なのですが、200日移動平均線が上向きに変わっていけば、いよいよ本格的な上昇相場入りの可能性が高くなってきます。

なので、200日移動平均線を現時点で何が何でもと「腕力」で上回っていくためには、サプライズをともなうような材料でもない限りは、難しいような気もします。特に、弱気になっているわけではなく、江戸時代の「酒田五法」にも出てくるように、しばらくは「休むも相場」の局面なのかもしれません。

21日に発表予定の日銀による金融政策の「総括検証」でサプライズがあるかどうかは別にして、内容次第では発表直後にはボラティリティ(変動性)が高まる相場付きになりそうです。

ただ、もはや動くのは短期筋の投資家のみです。裁定取引に伴う現物株の買い残高が3385億円(9日現在)と7年6カ月ぶりの低水準に減少している相場環境のなかでは、下げが続くボラティリティが高い状態のままということは想定しづらいことです。

どういうことかといいますと、昨年夏の人民元ショックをきっかけに9月まで売りがかさんだ時のように、「機械的に売りが出てくるような買いポジション」が現時点ではほとんどないということです。しかも日本では21日の翌日(22日)は休場となることに加え、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果発表も控えており、「総括検証」の中身を早期に織り込んだあとは、引けに向けて収束に向かう展開が予想されます。

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