ランボルギーニがカーボンにこだわる理由 フェラーリと伍するスーパーカーの戦略
今回のランボルギーニ・ディにはドメニカリCEOと三菱レイヨンの越智仁社長も登壇し、CFRP素材共同開発に関する公開調印セレモニーまで行う熱の入りようであった。この新しいカーボンファイバー、「フォージド・コンポジット」素材の応用により、より自由なスタイリングの実現と軽量化を図り、フェラーリへ対抗するという戦略がそこに見える。
2018年にはSUVの「ウルス」が登場予定
現在、サンタアガタの本社工場内ではカーボンに関連する生産設備の建造が急ピッチで進められている。2018年の発表を予定しているSUVの「ウルス」はランボルギーニとしては廉価な1000万円台の量販モデルと予想されているが、ここでもこのフォージド・コンポジット素材が多用されるはずだ。
ブランドとしてのフェラーリへの対抗という観点では、レースへの取り組みも課題のひとつだ。それも世界最高峰のF1が視座に入る。
ランボルギーニ・ディ2016の翌日、9月17日には静岡県の富士スピードウェイで「ランボルギーニ・ブランパン・スーパートロフェオ」と称する「ウラカン」のワンメイクレースのアジアシリーズが開催された。これはフェラーリ・チャレンジ・アジアン・パシフィックを意識したブランドアピールといっていいだろう。
今回、初来日したランボルギーニのドメニカリCEOは2014年までフェラーリF1の責任者を務めていた人物である。ある意味、フェラーリを知り尽くした人間をCEOとして招いてしまうのも徹底している。F1の世界にいた彼をCEOに招くということで、「ランボルギーニもF1参戦か」という噂が立っている。
「ここ10年というレベルで言えば、(F1参戦は)ないでしょう。なぜなら私たちは他にやらねばならないことがまだ多くあるのです。たとえばSUVのウルスのローンチなどです」
ドメニカリCEOは直近、このように話しているが、これを額面どおり受け取ってもいいものか。「F1計画は進行中」という周囲の観測を100%否定できるものではない。スーパーカーブランドとしての地位を一層固めるべく、ランボルギーニは着々と手を打っている。
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