ランボルギーニがカーボンにこだわる理由 フェラーリと伍するスーパーカーの戦略
ただ、限定モデルにしてもクラシックカーにしても、基本的にはフェラーリの後を追う戦略だ。この点で差別化を図りたいランボルギーニが力を入れているのが、車体の軽量化。そのためのカーボンファイバー(炭素繊維)の取り組みである。
「私たちは“重さ”という大きな敵と今まで戦ってきました。ランボルギーニはどのメーカーよりも早く30年前からカーボンファイバーの応用を検討していました」
こう語るのはランボルギーニのCTOであるマウリツィオ・レッジャーニだ。エンジンパワーは各メーカー共に同レベルとなり、これからはCO2排出量減少やクリーン排気ガスがより求められている現在、パフォーマンスの追求にはボディの軽量化が大きな要素となる。
“軽量化”がブランドの最も重要なアイコンだ
この“軽量化”をブランドの最も重要なアイコンとするのが、今のランボルギーニのコンセプトだ。うまいことにランボルギーニにはカーボンファイバー開発のDNAが存在した。1983年には、社内に新素材開発室を設け、FRPやCFRP(カーボンファイバー強化プラスチック)の研究を始めた。フレームレスのモノコックボディ カウンタックのプロトタイプを既に完成させていた。もっとも開発室といってもメンバーは一人。その人物とは現パガーニ社のオーナーであるオラチオ・パガーニであったのも興味深い話だ。
それ以来、ディアブロをはじめとするランボルギーニの歴代生産車にカーボン素材が用いられてきた。フェラーリもカーボン素材は各所に用いられているが基本的にはアルミニウムシャーシを用いている。それに対してランボルギーニはカーボン製コンポーネンツの設計から製造、そしてリペアまでをすべて内製化するという点を大きくアピールしている。カーボンファイバーによる成型は軽量でありかつ高剛性である様々なメリットがあるが、工程が多い為、大量生産に向かないという欠点があった。
しかし、ランボルギーニはボーイング社と2007年に提携を開始し、全世界のカーボンファイバー供給量の6割を担う日本メーカーの技術提携をおこなっており、それによってローコストで生産性の高い製法の自動車への応用が可能となったとしている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら