39歳妻はこうして「ド本命」の夫と結婚した 晩婚さんは理想より現実を重視するべきか?

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直人さんからもらった名刺には合コン直後にメールをし、同時並行で幹事の外交員女性に「直人さんがとても素敵でした!」と率直に明かした。すると、彼は数年前に母親を亡くしており、そのショックもあって3年以上も恋人がなく、仕事ばかりしているという現状が判明。世話焼きの外交員が合コンを企画しても気が進まないと断り続けており、今回が初めての合コン参加だった。これぞ掘り出し物である。実際、合コンでも早苗さん以外の女性も直人さんに好印象を持ったらしい。

「だから頑張ってね、とオバちゃんから励ましてもらいました。本当にありがたいです。ちょうど彼からメールをもらったので、あまりがっつかないように3時間だけ時間を空けて返信しました(笑)」

1カ月後に初デートをし、翌週には直人さんの自宅に誘われた。後からわかったことだが、直人さんは料理が趣味であり、すぐに肉体関係を迫る下心はなかったようだ。

「昼間だし、自分をしっかり持っていれば大丈夫だと思って遊びに行きました」

「私たち、付き合っているんだよね?」

直人さんは結婚歴がなく、実家は九州にある。長く一人暮らしだ。にもかかわらず、都内の好立地に一戸建ての住宅を構えていた。しかも、清潔かつオシャレに住んでいる。料理もおいしい。東京で猛烈に働いて成功した人の典型例のような暮らしぶりに、早苗さんは喜ぶよりもあぜんとしてしまった。

37歳になっていた早苗さんは気を引き締めた。ここで流されてはいけない。「私たち、付き合っているんだよね? こういうことはしっかりと確認しておいたほうがいい」と問いかけた。直人さんからは「あれ? オレまだ何も言ってなかったっけ? もちろん、付き合っているよ」との返事だった。早苗さんの賭けは吉と出たのだ。

それからは週の半分ぐらいは直人さんの家で過ごすようになった。年が明けると、早苗さんのマンションの契約更新日を迎える。良いきっかけができたと判断した早苗さんは再び勝負に出る。

「マンションは更新しない。あなたに家賃を払っていいですか?」

直人さんの持ち家での同棲を希望することを伝えたのだ。その頃には早苗さんの両親にも直人さんと付き合っていることを報告。喜んでくれている様子は、直人さんの家にお米を大量に送って来たことでわかった。

「彼の両親は他界しているので、九州の実家には誰も住んでいません。半年に一度は家に空気を通しに行き、お墓参りもしていました。『この人と結婚するとご両親に報告するんだよ』と冗談めかして彼の背中を押していましたよ。結婚の手続きを面倒くさがる人なので、婚姻届は私がもらって来ました」

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