「ゼクシィ」の隙を突く、式場予約の革命児 「すぐ婚navi」、エイチーム最年少取締役加藤厚史氏に聞く
つまり、看板として「半年以内の式場探し」を掲げれば、式場にとってもブランドの価値を崩さずに安心して割安な予約ができるワケです。そうしたコンセプトから、「すぐ婚」のアイデアは生まれました。
「すぐ婚」はお値打ちな価格を売りにしていますが、実は結婚式場から見ると、最終的な単価は、通常の予約と比べてそれほど落ちません。結婚されるカップルが式場予約を検討するスタート時点では、通常から80万~100万円を割り引くことが多いですが、割り引いた分はドレスや料理、引き出物のグレードを上げる傾向があるからです。アウトレットモールでグッチが人気になるという構図と似ていると思います。
――どんなユーザーが使っているのでしょうか?
ほかのサイトに比べると、30代のユーザーが多いという特徴があります。特に女性側が「1歳でも若いうちに結婚式を挙げたい」という切実な理由があるからです。マタニティ(妊娠中)のお客様は3割程度と、指摘されるほど多くありません。
――足元の状況を教えてください。
2010年3月以降、業績は順調に伸びています。国内では地盤の東海地方から順に関東、関西、九州地方へと地域を広げました。海外式場の予約も行っています。
――10年3月以前は?
08年10月のサービス開始からおよそ1年半は、まったくうまく行きませんでした。
理由はさまざまありました。まず契約している式場の数が少なかった。これは無責任だったと反省していますが、私が人事の業務と兼任で「すぐ婚」を立ち上げたものの、その後、人事業務に手を割かれたため、「すぐ婚」の方向性が定まらず、チームの士気も上がらないという状況にありました。
サービス中止という話も出始めていたのですが、自分で産んだ子のデキが悪いと言われているようでとても悔しかったので、自分としては責任を果たしたいと上層部に直訴して、人事から離れ、10年3月に「すぐ婚」の責任者になりました。赤字額も膨らんでいたため、10人程度いたメンバーを4人に絞るというハンディキャップを背負った再出発でした。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら