女性活用で、韓国にも引き離される日本 ガラパゴス化している、日本の女性活用【第2回】
このように「女性が働きやすくなる」というメリットに対して、「周りの従業員の業務負担が増える」という問題点がはっきり表れている。
著者がこれまで多く見てきた中でも、短時間勤務制度取得者がいる職場でうまくいっているケースは多数ある。こうした職場では、
「業務改善をしたので、部署の仕事が効率化した」
「子育て社員に対応していくことで、変化に強いチームになってきた」
「チームでフォローしあっている。時短勤務者も仕事を効率よくこなし頑張っているので、お互いが気持ちよく仕事している」
といった声がよく聞かれた。
このように育休や時短勤務者が出たことをきっかけにチームで業務の効率化を図ったり、変化への柔軟性を向上させることにより、メリットへつなげる職場があることも事実だ。
負担増に耐える周囲、モチベーションを下げる利用者
一方で、「取得者が1人程度のときはサポートし合えたが、複数に増え余裕がなくなった」という意見も少なからず存在する。制度利用者が増加し、長期化するにつれ、周囲への業務負担が増えている状況は、先ほどの調査結果と同様だ。
残った社員の「いつも私たちばかりにしわ寄せが…」という不満の声も実際にある。
さらに利用者の中にも、以前のようにやりがいのある仕事を任せてもらえなくなったり、長期間時短勤務で仕事をするうちに「なんとなく働き続けるだけ」の状態になり、モチベーションが下がってしまう人がいる。
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