コマツは中国の模倣部品とこう戦う 建機需要が伸び悩む中、情報技術で部品をテコ入れ

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建機市場停滞を補う

コマツが部品に注力する背景には、建機の新車需要の伸び悩みがある。最大市場の中国は病み上がりで元気がない。2月下旬に始まった春節明け商戦で、2年近く続いた需要の前年割れがようやく止まった程度。

資源採掘用の鉱山機械は石炭価格の下落で落ち込み、「戻ってくるまで少し我慢」(大橋徹二社長)という局面だ。コマツの業績は精彩を欠き、13年3月期は3期ぶりに減収減益となったもよう。当面、かつての中国のような需要の牽引役も見当たらない。そうした中、補修部品は、過去に売ってきた建機の資産を生かせれば、今後も需要の拡大が見込める有望事業というわけだ。

部品のIT管理には、他社も取り組みを強めている。日立建機も日立グループの企業と協力し、主要部品でIT化を試行する予定だ。中国では純正をかたる模倣品による建機の故障が相次いでいる。その場合、メーカー保証の対象外となるが、純正部品だと思い込んでいる顧客は納得しない。日立建機の有馬幸男専務は「『純正部品を使ったのに壊れた』として信用を失うのがいちばん困る。純正部品ではないと顧客に示すためにICタグが使えそう」と期待する。

中国など新興国の顧客は品質より目先のコスト削減を優先する傾向にあり、純正部品シェアを伸ばすのはそう簡単ではないだろう。だが部品のIT化による模倣品駆逐へ、各社の取り組みは加速している。

週刊東洋経済2013年4月6日号

長谷川 愛 東洋経済 記者
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