慶応EVベンチャーに集った100社の思惑

量産化は遠くても、未来へ“保険”かける

日産自動車や三菱自動車などの大手自動車メーカーだけでなく、ベンチャー企業によっても技術開発が進む電気自動車(EV)。そのEVベンチャーの代表格といえるのが、慶應義塾大学教授の清水浩社長率いるシムドライブだ。企業や自治体と連携し、EVの開発を進めている。

シムドライブはこれまで3台の試作車を製作。3月27日に一般公開した第3号車が「SIM-CEL(シム・セル)」(=タイトル下写真=)だ。中核技術である「インホイールモーター」(車輪に内蔵されるモーター)やリチウムイオン電池の性能が従来よりも向上。JC08モード(日本における標準的な市街地走行モード)での1kmあたりの電力消費量、いわゆる「電費」性能は、昨年発表の第2号車「SIM-WIL(シム・ウィル)」に比べ、約9%改善した。航続距離は324km。あくまで試作車だが、電費性能だけを見ると日産のEV「リーフ」より25%程度高い。

一方、シムドライブがこれまで想定していたEV量産化のメドは立っていない。当初は初号車の「SIM-LEI(シム・レイ)」は2013年、2号車のシム・ウィルは14年ごろを目指していたが、とても実現しそうにない。

日産のEV「リーフ」が販売低調

というのも、日本国内にはEVが爆発的に普及する土壌が醸成されていないからだ。日産が社運を懸けて投入した「リーフ」の販売低調はその象徴である。1回の充電で走れる航続距離の短さに加え、充電インフラの不足が重しとなっている。

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