だからこそ、私たちは子どもの教育に真剣にならざるをえない。どこでどのような教育を受けさせることが、子どもにとってベストなのか。彼らはわれわれのように日本企業に入るべきなのか、米国企業がよいのか、シンガポールベースで起業するのがよいのか。
そのためには、東大や京大をはじめとする日本の大学に進学させるべきなのか、大学から米国または欧州の大学に進学させたほうがよいのか、大学は日本で大学院から米国のほうがよいのか、ゴールによって選択肢は変わる。では、そのために高校は米国?日本?シンガポール? では、中学は?小学校は?
もちろん、子どもの人生は、100%子どものものである。だから、われわれ親がその人生を決定するわけではない。しかし、子どもが何かをしたいと自分で言い出したとき、そこに可能なかぎり選択肢を用意できるようにするのは親の役割だと、私は考えている。彼ら自身では収集しきれない情報を収集し、判断材料を提供するのも親の役割だ。
繰り返すが、判断するのは子ども。そのサポートをするのが親ということだ。
就職企業人気ランキングに見える子どもの情報収集力
自分自身を振り返ってもそうだが、子どもの情報収集力は限られている。ビジネスの最前線で活躍されている皆さんは、毎年発表される「大学生の就職希望企業人気ランキング」に驚かれると思う。少しでもビジネスの現状を把握していれば選ばれないような日本企業が、多数選ばれている。すでに業界が成長期から衰退期に入り、どう考えても未来のなさそうな企業、業績悪化がこの数年報道され続けているにもかかわらず、上位にランキングされている企業。また、人気ランキングは多くの場合、消費財企業に偏っている。なぜか。
学生たちにとって身近な企業、身近な業界でしか、企業の魅力を判断できないからだ。
ことほどさように、子どもたちの情報収集力は限られている。だから、ビジネスの最前線で活躍しているパパやママが、子どもたちの情報収集のサポートをすることには意味があるといえる。
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