BMWの新型「i3」はここまで進化を遂げた 「740」シリーズのPHVにも乗ってみた
PHVでは荷室が犠牲になることがよくあるが、96個のセルをコンパクトにまとめ、空調からの冷気を利用してバッテリを冷却する仕組みとし、さらに燃料タンクを後輪の間に設置することで、420Lと、エンジン車同等のトランクルームを確保した。
Dレンジを選んでアクセルを踏み込むと、2Lエンジンとは思えない加速感で、大ぶりなボディをぐいぐいと加速する。市街地で頻繁に使う中低速でのトルクも十二分にあって、アクセルを踏めばいつでも十分な加速ができる。アウトバーンの合流のように中間加速を必要とするシーンでも、モーター駆動のクルマにありがちな頭打ち感は感じない。むしろ、伸びやかな加速感に驚かされた。
3種のドライブモード
「eDrive」には3種のドライブモードがあって、エンジンと電気モーターのコンビネーションで走る「AUTO eDrive」モードではEV走行で80km/hまで加速できる。それ以上のスピードではエンジンがかかるが、いったん加速したあとに同じスピードで淡々と走るのはエンジンが得意とするところで、エンジンで走っても低燃費なのだ。これに対して、電気モーターはトルクの立ち上がりがよく、加減速するようなシーンを得意としている。こんなふうに、エンジンと電気モーターを適材適所で使いわけている。
EV走行に特化する「MAX eDrive」モードでは、140km/hまでEV走行の最高速が高まる。さらに、「バッテリー・コントロール」なるモードがあって、こちらはエンジンを中心とした走りで最高速は250km/hに達する(リミッター設定)。エンジンがかかった状態で電池に積極的に充電をしながら走るので、ほかのモードと比べてエコとは言いがたい。が、ヨーロッパで導入されつつある環境ゾーンなどでは有効だ。環境ゾーンでは、ガソリン車の侵入に規制を設け、EV走行ができるクルマのみに侵入を限っているからだ。
日本では、早朝ゴルフに出かけるときなど「MAX eDrive」モードに入れて、自宅の近くは静々と走り、静かな住宅地から一般道に出たら「AUTO eDrive」モードに切り替えて燃費重視で走り、高速道路での巡航やワインディングロードに差し掛かったときには「バッテリー・コントロール」モードに切り替えてBMWのエンジン車の魅力を堪能する、といった使い方が正解だろう。
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