マセラティのSUV「レヴァンテ」に乗ってみた ポルシェ「カイエン」と伍する存在になれるか
いま自動車界で最も熱いトレンドは? 1つは間違いなくラグジュアリーSUVだろう。高級ブランドが手がけるSUVが続々登場しつつあるが、嚆矢(こうし)となるマセラティ・レヴァンテの試乗会がイタリアで開催された。スポーティさで一頭地を抜くモデルである。
マセラティ初のSUVとして注目を浴びる
マセラティといえば(よくご存知のように)イタリアの高級スポーティブランドだ。ボローニャで100年以上前にレーシングカー作りを始めた歴史を持つだけあって、いまもスポーツカーやレーシングカーは企業のDNAの中核にある。日本では高級スポーティセダンのギブリや、先刻フェイスリフトを受けたクアトロポルテといったモデルも人気だ。そこに2016年春に加わったのが、同社初のSUVとして注目を浴びるレヴァンテだ。
レヴァンテはギブリQ4とプラットフォームを共有。フルタイム4WDシステム(マセラティではAWD=All Wheel Driveと呼ぶが)を備える。5003mmの全長に対して1679mmの車高と、プロポーションはセダンと一線を画している。それでも一目見ただけで、マセラティのファンなら心が騒ぐマセラティグリルを持ち、ボディのラインは流麗でクーペを連想させるほど。他車とはまったく違う。いかにも気持ちよく走りそうなルックスが魅力的だ。
レヴァンテの新しさは6段階に車高調整できるエアサスペンションを備えているところだ。オフロードではグラウンドクリアランスを高く保てるいっぽう、オンロードでは下げることでスポーティなハンドリングに重要な重心高を低くできる。ようするにオンロードとオフロード、2つの目的を同時に追求して高いレベルの完成度を達成したモデルなのだ。