BMWの新型「i3」はここまで進化を遂げた 「740」シリーズのPHVにも乗ってみた

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第二世代となったサムソン製リチウムイオン電池は、生産工程を見直してセル内の活性物質を増した結果、エネルギー密度を高めることができた。12個のセルをひとつのパッケージにしている。初代i3のバッテリだけを交換可能(!)な「プラグインアップデート」ができる。使用後のバッテリは蓄電池として使ったり、リサイクルもできる

新型ではPHVより、EVを選ぶ人がやや多いといった状況だ。リチウムイオン電池の生産プロセスを見直し、電池のサイズは同じまま、電池の容量を94Ah/33kWhへと増強したのだ。もちろん、300kmというEV走行距離はカタログ上の値だが、BMWによれば、日常遣いでのEV走行距離としては、EVで200km、PHVで330kmと、必要にして十分といえるだろう。

ユニークなのは、すでに「i3」を購入しているユーザーも、希望すれば、バッテリを新型に交換できる点。充電時間は、欧州で推奨されるコンボ式によるDC充電で40分、ウォールボックスによるAC充電で3時間と、十分に実用的だ。

初代i3から受け継がれた美点

早速、試乗に連れ出してみる。ミュンヘンの郊外へ向かうと、すぐになだらかな丘が連なるワインディングロードにさしかかる。「ノーマル」「エコプロ」「エコプロ+」の3種のモードを選べるのだが、最初は、ノーマルのままで思いっきり走らせてみた。

アクセルペダルを踏み込むと、グンと身体がシートに押し付けられるような鋭い加速を見せる。電気モーターで駆動するクルマらしいトルクの立ち上がりの良さだ。スペック上も0-100km/h加速が7.3秒と、必要にして十分な加速ができる。

カーブに差し掛かると、背高なフォルムから想像するより、安定した姿勢でコーナーをクリアしていく。専用に設計されたシャシーのフロアに、重量物である電池を低い位置に搭載しているため、重心が低いのだ。これは、初代i3から受け継がれた美点でもある。右足をアクセルペダルから上げると、ブレーキを踏まずとも、エネルギー回生によって減速できる。慣れてしまえば、右足だけでクルマをコントロールできるんじゃないかと思うほどだ。

ハッキリ言えば、BMWのエンジン車のようなカリカリの加速感ではないけれど、i3のようにEVならではのファンな走りを提案してくれるのは、ある意味、BMWらしいといえる。

エコプロ・モードに切り替えると、加速の盛り上がりには欠けるものの、燃費走行には貢献してくれる。なにしろ、アクセルペダルを強く踏み込むと、「アクセルに乗せた足を上にあげて!」とでも言いたげなアイコンが点滅し、エコドライブのアドバイスまでしてくれる。

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